詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
我が家の冷蔵庫は
もう15年も働いてくれて
有り難い
玄関の扉に錆で穴が空いた
嫁が少ない家計から
材料の費用をやりくりして
パテ埋めしてみた
これでいい
クリスマスツリーのてっぺんに
星の飾り
上の息子は
勉強は出来る方だが
素直過ぎて
社会へ出た後が
不安だ
手紙はとてもいいと思う
自分の事ばかり
書いてしまう理由が
恥知らずのように
残るから
それらは
とても自然と調和していて
文字の筆致のなす
加減と決意が
まっさらな紙に
織りなされた織物のように
鮮やかじゃないか
明け方の
静かな台所から
冷蔵庫のコンプレッサーの
動き出した音がだけが
外の鳥のさえずりと
寄り添うように
聴こえた