ホーム > 詩人の部屋 > 遥 カズナの部屋 > 残像

遥 カズナの部屋


[286] 残像
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

死んでいるはずの
亡骸を
片足で踏み抑えて
餌食にする

矮小な心と体

抜け殻のような
自信の無さ
突飛に感じても
鈍り続ける
左手から
落とした
スマホ

足もとに
あったはずの
何かが
もう身体の一部に
なっていても

駐車場の
自家用車のタイヤに
新緑色の小さなバッタが
日射しに鮮やかに
へばり付いていて
憂鬱なの朝が
わずかでも
そうでも
なくなる

電線にとどまり
それらを
見下ろしていた
雀の瞳に映った
景色

2020/07/23 (Thu)

前頁] [遥 カズナの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -