詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
集合住宅は
敷地の壁ずたいに続く排水が
突き当る壁に開く排水溝へ
流れる込む仕組みなのだが
最近は雨が
降らなかったからか
その排水溝が
猫の家族の住処になっていた
駐車場で
車から降り立つと
まるで塹壕からのように
仔猫の頭が、ひょっこりと覗いて
こちらの様子を
覗っている
飛び出した幾匹かが
じゃれ合いはじめ
立ちすくむ
仔猫や仔犬を見て
自然と触れようとして
近づいて
もう触れてしまっていたのは
いつまでの頃だったのか
分かりきった事は
どうしていつも
この内にとどまらず
気がつくとすり抜けて
こちらを
見つめてくれるのか
夜空からは
雨が
降りはじめていた