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遥 カズナの部屋


[324] おもいやり
詩人:遥 カズナ [投票][得票][編集]


不注意もきっとあって
仕事柄だとしても
何本もの指が
絆創膏だらけだ

忙しさに追われ
爪先は真っ黒で
萎びてきた絆創膏の上から
さらに絆創膏をしてやるから
寒くて乾燥する時期には
他の指もささくれて
見せられたものではない

指によく怪我をする人間は
周囲の人を傷つけるたちがあると
聞いた事がある

迷信でもない、と思う

家に帰れば
育てているはずの
小さな観葉植物が
大きく育たないよに
伸びてきた葉は
切ってやっている

葉を切り落とす時
心の中の何処が
わずかに軋む
それでも
絆創膏を新しく
取り替える事くらいしか
やれることはない

2021/12/30 (Thu)

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