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遥 カズナの部屋


[327] 老害
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

書いて
想いが
伝わるなんて
信じてしまった
十字架のような
痩せこけようもない
案山子を背負い
見世物小屋を渡り歩く
貧素な心持ちを
隠すように着飾って
時のペダルを
ギコギコこいで
新装開店のビラみたいに
書いて、空高く
バラ撒いてきてやった

そりゃ、若いうちはよかった
そう言うと
そう見られて
見返そうとして
達観を気取ろうとしても
坂道
息が切れしそうになるのは
どうしようもない
くたばるのには
まだ、早いけれど
生き急ぐ気力も失せたなら
どうしたらいい

それでも
書いて 
放り上げるように
バラ撒く

花びらが散る

情けないのは
そんなに
いけないか

ユダではないだろうに

2022/02/05 (Sat)

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