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遥 カズナの部屋


[365] きび
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

たくさんの人の心の機微が
風のような出来事に
揺らされながら
ひしめき合い
わななき合っている

互いに翻弄されるがまま
そっとしていることも
そっとしておいてあげることも
どうにもならないままに

笑ったり、泣いたり
蔑んだり、敬られたり
命を絶ったり、永らえさせたり
こんな果てしのない
どうにもならない話しは
もういい

サトウキビは
とにかく硬い皮だけど
それより硬い歯で
やっと噛んで、引っ掻き裂くように
剥いてやると中に
甘い茎の部分があって
そこもやっぱり固くて仕方ないのだけれど
噛み締めると青臭い汁が出てきて
それがとにかく甘い

そんなサトウキビ畑の
ひしめき合う景色が
風に揺れている

しかるべき様子が

この心の拠り所

2023/04/15 (Sat)

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