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遥 カズナの部屋


[396] 詩と家族と俺
詩人:遥 カズナ [投票][得票][編集]

詩を描きたい気持ちは
出掛ける時に
似ている

詩を描きたい動機は
誰かを
消してしまいたい時に
似ている

詩を描きたい今は
なにもない
なにもない時に
似ている

夕凪が近い頃の釣り場は
しっかりと間抜けになってしまった俺に
「まだまだこんなところか」
みたいとかしか描けない
そんな風情と情緒がある
「そんなことはない」
みたいに竿を思いっきり沖へ振り
仕掛けを遠くへ投げようとすると
決まって、失敗してしまう

いや、そうだからと言っても
何が悪いわけでもないのだけれど
ほら、もうすぐ子供を塾の帰りの
迎えに行かねばならない
そうあるべきだし
そうしたい

これは、まだるっこいね
でもそれでもまだ
描きたいから

許しておくれ

2025/01/04 (Sat)

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