詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
どうにも釣れない
釣り場がある
大城さんと渡久地さん
この二人の名人が
いつもいる
去年からここに来ているけれど
皆が彼らに声かけ
二人も誰かに声をかける
誰も俺も釣れないのに
この二人は釣れる
釣れると
皆にその魚をやる
俺にすら
わけてくれる
とにかくここでは名人だ
二人を慕うように
釣り人達がよくここを訪れる
海水浴のシーズンには
すぐ隣にビーチがあって
子供達のはしゃぐ声が
学校の校庭くらいに
背中に聴こえながら
釣りをしている
本当に
色んな人達がやって来る
釣りよりおしゃべりがしたいような
そんな釣り人やら
ビーチから散歩で来た水着のままの観光客
ビーチで遊び足りなくてやって来る子供達
後期高齢者で釣が出来なくなったと話す老人達
ここにはなにやら
えもいわれぬ
コミュニティが
出来上がっている
レポートではないけれど
なんだか俺は
ここが好きに
なりはじめている
釣れないのだけどね