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遥 カズナの部屋


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詩人:遥 カズナ [投票][編集]



私が伝えたい事は
ささやかさに
そっと添えるようでいて
なのに確かに頑なに
貴方に届けさせて下さい

そう それは
文庫本に挟まれた栞のように

そこから また
怯まず 始められる
勇気と願いを込めて

めくるめく日々のページの狭間に疲れ果て
生きたまま埋もれてしまいそうな夜

それまでの 今までが
無駄でもあったかのように掻き乱し 荒れ狂う
嵐の後にも

明け方

彼方まで淀んだ曇り空の中僅かに覗く金色の晴れ間に一筋の虹が覗くように

丁寧に挟まれた一枚の栞は

何もまだ
終わってはいない
証しの筈だから

幸せになりたくてした
約束がそこにあるから

僕らまた

ここから

始めよう






2007/08/12 (Sun)

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