詩人:匣 | [投票][編集] |
馬鹿だなぁと思う。
自分の殻に籠って、
人との関わりを拒絶して
そんな事したって
あの人は帰って来ない
それでも、口を開けば
掌から砂は零れ落ちる
その砂が愛しい。
その砂が憎い。
嗚呼、どうか
私が生ける屍になる前に―
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私と同じ境遇の双子
同じ境遇でも意見は
恐ろしく食い違った
彼等にとってここは楽園。
私にとってここはサイハテ
私はひどく彼等が羨ましかった。
嗚呼、私もここが楽園になれば―
意思を手放すのは簡単、
すぐに墜ちる事ができた
ここは私の楽園
―小さな小さな私の楽園。
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彼は私のカミサマだった
大好きで大切で愛してた
彼から与えられる愛は
少し、怖かったけれど
彼の孤独を識ったから
彼の依存も理解できた
結局は私も彼を愛してたから
それなのにどこで狂ったのか
ある夜彼は私の首を締めた
苦しむ私の頬に落ちる、雫
「―嗚呼、泣かないで」
手を伸ばし彼を抱き締めて、
緩められた手を引き離して、
まるで子供の様に泣き続ける
彼をあやすしかできなかった
「―ごめんね」
彼から次がれた言葉。
何故謝るのか解らない
与えられるぬくもりで
いつもみたいに暖めて
愚かな私は気付かなかった
私達の楽園が狂気に染まり
罅が入りはじめている事に
許されるなら、還りたい
笑いあった、あの頃に―
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私と彼と双子の子供
4人で築き上げた禁忌の楽園
所詮は作り上げたモノ
儚く脆く崩れていく
嗚呼、壊さないで楽園を
嗚呼、奪わないで楽園を
禁忌を破って得られる背徳の甘さ
罪に塗れた汚い私の祈りは届かない
嗚呼!
私を楽園に還して!