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高級スプーンの部屋  〜 投稿順表示 〜


[420] 水に水を足して
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たった一つを思って
好きと言えるの

何をあれこれ考えて
嫌いと言えるの

簡単に使わない
難しく考えない
そのまた逆も

君に伝えたい
たった一つの
この気持ち
何度も伝えたい
好きだって

誰に伝えたい
幾つもある
その気持ち
何で伝えたいの
嫌いだって

反れた感情に
面食らってさぁ
実はまだ何も
言えてない

当たり障りのない
感情ばかりが横行する
僕の平和な世の中

好きも
嫌いも
籠もったままで
その温もりや
冷たさは
何処に行くんだろ

表を歩かないで
君にも誰にも
知られずに
薄まっていく
たった一つの思いや
幾つもの気持ちとか

僕が忘れても
波紋も立てず
密かに息をしているの


届かない声となって

2005/11/24 (Thu)

[421] 次は前哨戦前
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電車の窓に映る自分
まとわりついて
離れない
こっちを見るな
聞こえないのか
おい
何とか言えよ
喋るワケないか
うすら笑いを
浮かべる自分に
見下された気分になって
目を逸らす
僕は
また負けた

疑いながら
生きている
初歩的な悩み
抱えながら
騙し騙し
生きている
本当に欲しいモノは
一つも手に入らない
要らないモノばかり
増えてくる
無いよりマシだと
捨てられず
自分の居場所を
削ってる

満員電車に
乗っかって
定められた場所に
向かって運ばれる
目指した場所は
確か
もっと
遥か遠くにあったろ

ここ数年間
同じ所を
行ったり来たり
今の僕は
ニセモノだと
自分を偽り
ぐるぐる回る

まだ見ているのか
窓に映る自分は
こんな僕を
見ていて楽しいか
どうなんだ
うっすらと
今にも消え入りそうな
真顔で睨まれ
足がすくむ
どうしようもないな

本物の敗北者だ
この先ずっと
負け続けるのか
決まった道を選んで
目に見える未来歩んで

確かにそれも
いいだろ
自分で決めた
道だと
自信を持って
言えるなら
問われた僕は
下を向く
また一つ
負けが増えたぞ

あの頃の僕は
何を望んだ
思い出して
何になる
言ったが
自分は話を続ける
僕が答えるまで
やめない気か

スーツを着て
カバン持って
毎朝八時に家を出る
それで満足なら
笑えよ
会社に着く前から
疲れた顔すんなよ

諦めきれず
夢を見て
今の仕事にも
満足出来ない
その甘えから
抜け出さなきゃ
苦しむだけで
終わるぞ

差し伸べられた
自分の手で
僕の首を絞めて
息も出来ない
なのにすがって
離れられない

このままじゃいけない
負け続けるのは
もう嫌だ

それなら顔を
見せてみろ
ハッキリと
自分を見るんだ


僕は
その手を離して
立ち上がり
歩き出した
電車は停まり
扉が開く

降りた場所から
見えたのは
自分にも見えない
その先は

深呼吸して
歩きだす
自分に打ち勝つ為に
前を向いた
その先は

戦う僕が決めるんだ

2005/11/24 (Thu)

[422] 代り者とスケルd
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何処に産み落とされ
何処で命を落とすのか

生き方さえ操作され
自由に動けないなら
誰の目にも
触れない場所で
死に方を決めようか

でもその前に


変り者の前で
立ち止まると
ロクな事がない

気付いた人の
ほとんどは
抜け出せずに
留まったまま
動けなくなる

立ち去る人も
戻ってきたり
また離れたりを
繰り返す事が多いし

ある種の中毒症状は
変り者から感染し
やがて宗教に変わる

存在しないから美しい

神格化する
流行病の元凶は
都市伝説の中に
身を投げた


程よく適当に
心地良い
不鮮明な透明感は
矛盾や制限を擦り抜けて
正体を明かさず
耳元で
理解不能の
秘密を漏らす

吐息一つで
身も心も震えてしまう

噂によると
仮初めの世界に
落ちているらしい
変り者の個人情報
表現力の可能性だけ
記号化された
死体の羅列が
読み手を阻む

手に入れたとしても
心地よさと恐怖の
バランスが崩れ
半ば強制的に
僕は我に還る

中身しかないから美しい

色褪せた
ネオン街に
興味が失せて
実在しない妄想へ
再び

変り者の未来は
僕が決める

2005/11/28 (Mon)

[423] 悪歌狂乱・冥
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温く生きるフリに疲れ
眠れなくなる夜に
痛む頭を
脱がせる処方箋
1錠
2錠
3錠と
飲む量は
夜を更新する度
増える

首なしの僕は
仮想世界を彷徨う
よく似ていて
少しだけ違う人々が
集まる場所

笑顔を装い近付いて
即席の傷を見せ合って
埋もれないように
必死に傷口を広げる
お互いに自分へ
共感を持たせようとする

来る日も来る日も
狂ったように
無意味な痛みに
値段を付けて
自分達を
ブランドとして扱う

本物と偽物の
価値の違いに
差異はない
認めるか
認めないか
好きか嫌いか
その日の気分で
配置が
変わったりするだけで

実は
普段の生活環境とは
あまり変わらない
頭がないから
気が付かないだけで
気付いても
飲み込まないだけで
事実を仕舞い
魔法の瓶を取り出す
そろそろ時間だ

皆という
不確かな表現に
同化して
自身も記号に化ける
そんなある日

発した言葉が
僕の肩を霞めて
出遇ってしまった
疑問ばかり残す君に

その他大勢と
同じように
頭を外していたから
見えなかった
声も分からない
誰か分からない

触れた者を震わせる
透き通った言葉
仮想世界を
するりと抜けて
置いてきた
頭にまで響く

どんな気持ちで
誰に向けて
語ったんだろう
放ったんだろう

受けた瞬間
思い出す
繋がらなければ
解けなかったと
首なし達は
次々と姿を消した
直後

意識が戻る
ズキリと鈍く
重い痛みが
被る頭の内側を
走り回る

不意に
肩を掠めた
言葉が
根こそぎ幻を奪う
飲み込んでしまった
薬は
毒にもならない

畜生
僕は呪われた
君が頭から離れない

2005/11/29 (Tue)

[424] 夢から覚めても
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朝はいつも秋
枯れた人間達が
古びた地面を
埋め尽くす

似通った
慣れの果てを見せる
人間達を
麻袋に詰めて
トラックの荷台に
乗せてゆく

怪獣に遊ばれて
崩れた街の中を走る
荷台に
山積みになって揺れる
枯れた人間達を
処理場まで運ぶのが
俺の仕事

大地震が
起きた後のような
道路は凸凹過ぎて
山道よりも走りにくい
街も人も皆
半端に壊われているから
面倒臭がって
誰も修理しない
街や人や全てを

処理場に着いた
枯れた人間達を下ろし
処理人に渡す
代わりにお金を貰う
クズみたいな
金額だが仕方ない
クズを売ったのだから

生きていても
死んでからも
人には金が付いて回る
好きか嫌いかは
別にして
なんだかな

帰り道で
パンとミルクと
煙草を買った
それから
毒も一つ

無理をして
幸せになると
副作用に苦しむ
苦痛から逃れようと
更に無理をして
幸せを
手に入れようとする

しばらくしてから
本当は
不幸だったと感じ
今度は
連鎖を
断ち切ろうとする

自分一人の力では
どうにもならなくて
最後に手にするものは
幻から覚める
効果のある薬で

理性を取り戻し
幻から解放された
人々は
夢のない現実で
最良だと思う選択をする

結果
俺は
この仕事に就けて
枯れない程度に
暮らせている訳だが
結末は
最悪なものだろう

ミルクで
毒を流し込む
多幸感を味わいながら
残りの半日は
幻の中で過ごす

夢がないと
毒を飲んで
逃避して楽園へ
夢から覚める
薬を飲んで
逃げ場を失って

辿り着く先は
どれも同じなら
俺は
少しでも幸せな
不幸を選びたい

最後には
壊れて
ボロボロになって
枯れるのだとしても
それでも
今は
生きている

2005/11/29 (Tue)

[425] ガギグゲップ
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ガガガガーンと頭に落雷
ギンギラギンに火花飛散
グサっと頭に槍が刺さる
ゲリラに襲われたのか
ゴゴゴゴゴ‥怒りが湧くぜ

ざっと数えて50人
じっくり見ると50万人
ずらりと並ぶ兵隊さん
ぜぇぜぇヤバイ喘息だ
ゾッと背筋が凍り付く


ダダダダダン今度は銃だ
ヂヂヂヂヂ点火中の大砲
ヅラを取ってそら逃げろ
でも槍はまだ刺さったまま
どうしようもない俺逃亡

バラの花束差し出され
びっくりして立ち止まる
ぶりっ子してる仮面の男
別に助けは要りません
僕は一人で逃げ切ります

パラダイスは何処ですか
ピリリリ携帯鳴っている
プッと吹き出すその相手
ペーからでした林家さん
ぽつりと一言ダメだこりゃ

2005/11/30 (Wed)

[426] evanescent light
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君は光
輝いている
僕を知らない
思いが伝わる

どれだけ
思いを込めても
伝わらない
君が居ない
輝きを残して
僕が知る前に
消えていた

伝わる思いや
輝きさえも
いつか
消えてしまう
それでも

輝く君へ
解き放つ
これからも
残された
僕の光が
消えるまで

伝えられない
この思い
打ち明けるように
瞬いて

2005/12/01 (Thu)

[427] その後のレプリカ
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泣いても
笑っても
この感情は
他人事

未来も
過去も
作り物の
絵空事
今を生きるのは
本物じゃない

喜びや
哀しみを
模倣しても
僕と呼ばれる

浮かんだ想いは
君にはなれない
真似事は続く

2005/12/01 (Thu)

[428] 座席
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あと一人分の
隙間があるのに
一人一人が
邪魔をして
救えなかった
命もあって

譲れなくても
もう少し
横に寄れないか

空けられない
考えもあるけど
繋がりを忘れずに

あなたが持つ隙間
手元にあって
あなたの意志で
使えるなら
埋める前に
前を見て

2005/12/01 (Thu)

[429] ムラムラムラ
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揺れる揺れる
ムラムラと
濡れる濡れる
ムラムラと
増える増える
ムラムラと
群れる群れる
ムラムラと

表現の違う
ムラムラに
理解されない
ムラムラに
掛け違えた
ムラムラに

間髪容れずに
ムラムラと
僕は脱がされる
ムラムラを
素顔が凶器
ムラムラムラムラ

ムラムラムラ
ムラムラムラ
ムラムラムラムラ
ムラムラムラ

イライラに替わり
ムラムラが
イライラに変わり
ムラムラが
取って代わって
ムラムラに

僕はムラムラ
君にムラムラ
僕はメラメラ
君にメラメラ
僕はムカムカ
君にムカムカ

羊になれず
鬼にもなれぬ
ムラムラム
ラムラムラ
ムラムラムラ

ムラムラの衝動で
爆発するのか
ムラムラを制御して
冷ややかになるのか
ムラムラを
消せなくて
僕は飛んでゆく
火のある場所へ

ムラムラムラ
ムラムラムラ
ムラムラムラムラ
ムラムラムラ

2005/12/02 (Fri)
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