詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
殺さずに生かした
苦しみは
誰を悪魔に変えるのか
自分を普通だと
信じる彼は
愛する人を捕まえて
誰にも
分からないと零した
お前の気持ちを
教えてくれと
質問攻めにした
彼女は泣きじゃくり
分からないと
首を振った
誰も分からないから
自分でも分からない
道理で僕にも
理解らない訳だ
納得した彼は
嫌がる彼女を
強く抱き締めた
怪しき者は
異なる者の
闇に巣食う魔を
捕まえて
愛していると囁いた
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使われすぎて
価値の下がった
僕等が売られている
最新鋭の角を曲がって
二本目の裏道で
触れたくないけど
目につく場所で
汚れた僕等は
拾われた後
リサイクルされ
いつもの所へ
居場所はあるが
自由はないよ
されるがままに
叩かれては
売られていく
目の無い人々に
一度買ったら
何度も足を運ばなきゃ
駆られる要素が
僕等にあるけど
見えない光
求めて来たって
何も見えないよ
自分を見失い
探しているけど
意味も特にない
僕等に価値を持たせて
思いのままに使っても
足元に落ちている
自身を自ら
踏み潰してるだけだよ
そして忘れてしまう
何を探していたかも
疑問ばかり残して
姿を消していく
最後に残るのは
いつも僕等だけ
捨てられたら
なるべく何も
考えないようにして
元の場所に
帰るのを待ってる
僕等の見せる夢に
魅せられて
皆
虜になって
不幸になって
馬鹿になる
自らの欲の引力に
負けて
小さくなって
最後は消える
エサは僕等じゃない
知っていても
止められない脅威
連鎖は続くよ
何処までも
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あれほど
嫌っていた人の
考えの中に
自分を発見した
真逆の詩を読んで
浮かんだ答は
声にはならず
ずしりと
胸に残されて
雪のように
白く見えていたら
あの人を
嫌わなかったろうな
でも
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それから
一人になった時
私が
どうなるか
考えて
発言してるん
泣きたい時に
笑いもせずに
無表情になり
冷静に
これからの事を
考える私って
流動体の感情を
凍らせてしまえば
コントロールする
手間も省けるし
開けたままじゃ
冷気が逃げるから
当然でしょ
私の心を守る為
あなたの言葉を
キャッチして
投げ返さずに
路地裏に捨てる
本音を流しても
伝わらないんじゃ
仕方ないしな
話を聞くだけ
マシだと思って
分かったよ
うん
もうホントに
分かったから
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起きているのが
無駄なら寝るな
バカに騒ぐよ
頭の中で
文字を打つ騒音で
隣の人に
怒鳴られないように
半になり
三時も近付き
明日は仕事だ
もう眠れない
いや眠らない
俺はアウトロー
こんなんでも
まぁいいやって言える
朝になって
後悔するから
見習ったらアカン
But
放っとかないで
呆れながら
笑ってやってよ
失望するのも
一つの手だけど
俺はアウトロー
温室育ちの
深夜二時だけ
俺はアウトロー
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あやすように
労るように
君を愛すよ
I LOVE YOU
使い古され
価値の下がった
薄汚れた
愛を買ったよ
好きだからじゃない
だけど魅かれた
何も見ようと
しない瞳に
批評されても
良くはないよ
失うものも
特にないけど
今じゃすっかり
君の虜
夢があるよ
君になりたい
夢を見たよ
君になれない
あやすように
労るように
君を愛すよ
I LOVE YOU
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産まれてきたのは
いいけれど
どうにも上手く
頭が働かない
生きているのが
やっとで
他には大して
何もせずに
寝てしまう
あれもしたい
これもしたい
叶わずに
消えたいとか
死にたいとか
吐いては
眠る
浅瀬で悪夢に
うなされながら
生きているだけでは
物足りないと
生きていたいだけの
人から奪う
生きたい
を
幸せになる枠が
年々狭まって
人間が途絶えるのは
いつの日か
一転して
誰もが満たされて
人間じゃなくなるのは
いつの日だ
もう少し
先の未来へ
もう少し
先の未来へ
ばたつきながらも
サービス生存
関係ないさ
繋がってますが
やっぱり関係あるさ
なんだって!?
だから
残り者には
禍福も気にせず
笑っていてほしい
笑わせるのはアナタ
笑うのもアナタ
笑われて
僕は笑って
生きている
今日も
今を
生きるのさ
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録音した
自分の声を聞いて
初めて受け容れられた
これ以上
逃げられなかったし
その必要も無かった
世界も誰も
何も隠していない
秘密は皆無
僕は必死に
逃げ回りながら
なぜ
逃げてるんだろうと
理由も忘れて
ひたすら何かに
追われるように
逃げていた
振り返って
誰かが居ても
誰も居なくても
どちらにせよ
事実を知るのが
怖かったから
振り返らなかった
逆に
後ろを見ずに走る
異なる怖さは
僕に渇きと
生きる望みを
与えてくれた
気がしただけ
十方が闇
遮るものがないのに
身動き一つ取れない
自分を放って
何処かに
行ける筈は無かった
無理だろう
認識してしまった
在り来たりな
自分に
飲み込まれて
溺れて苦悩しても
助からない
変えられない
与えられた存在を
覆しても
果てしなく広がる
壁のない部屋に
飲み込まれ
僕は
正体不明の
限界を悟った
これが僕なら
仕方ないな
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声が語る
海や風
陽の光や月の色
綺麗を売り物に
汚れる街で会いました
我儘に溢された
言葉を拾い
丸まる背中
馬鹿にするのは誰だ
鏡には映らない
偽りのない思いを胸に
手を添えて
貴女は歌う
貴女の声に
引き寄せられて
包まれて
内へ内へと
入り込む
その目を見ても
まだ気付かないの
自分が何を犯したか
信じる者の
迷いなき唄を聞き
疑う言葉は
在りはしない
語られる
気持ちの前で
呼吸して
綺麗だと感じる
一時を
貴女に教わりました
ありがとう
ごめんなさい
ありがとう
ありがとう
貴女にありがとう