詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
読むのを止められても
思うのは止められない
一方を肯定して
一方を否定して
問い詰められた分
答は狭まる
僕が与えるだけ
君は失ってしまう
人ごみを
かき分けて
完成された作品には
評価は残ってなかった
無理から壊して
原石へ近付ける矛盾に
喜びや悲しみを込めて
伝わらない
日陰の声は
陽が落ちるのも知らず
まどろんで土の中へ
あと幾つ
残っているんだろうな
空白を埋める言葉は
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そこには何がある
私には視えない
確かなものがあるのか
うっすらと
存在している
非常にモヤモヤした
雰囲気に触れている
そうか
私にはさっぱり
何も感じられないが
最年少が更新される中
不安とスリルに挟まれて
それでも挑戦したい
そんな意欲も
おくびにも出さず
辞書を捨てて
間違えた意味を賭して
戦わないで
うずくまる
逃げてはいない
むしろ望むところ
そんなものか
どうなんだ
過ぎない今さえ
触れられぬ
私は何を掴めば良い
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天国には行きたくない
国境はまだある
彼が歌い始めてから
何十年も
経ったっていうのに
これじゃ
浮かばれないさ
愛情が降り注ぐ
それを遮る屋根がある
人は皆
崩そうとしてもがく
キラキラと
太陽の欠片の中
身体中に浴びたくて
横顔が付いて回る
あんまり睨むなよ
死なない魚の目をした
お前と共に
サミシイ、の流行る
街を発つ
希望に目が眩む人々
当たり前になった
夢のような地獄
禁じられた歌声を再び
彼の元に
降り止まぬ愛情を
背に受けて
浮かぶ屋根がある
晴らせないなら
奪ってみたい
僕を代価じゃ
瓦一枚
剥ぎ取れないか
サミシイ、から
遠く遠く離れて
幾つもの国境で
幾つもの唄を歌うのは
いつも僕
忘れられない歌声を
歌を忘れたお前から
聞けはしない
握った拳
放てぬ苦しみを
一陣の風に変え
遮る屋根を
吹き飛ばしても
大切なもの一つ
失うだけで
太陽の欠片の中
身体中に浴びたって
お前の声は戻らない
天国には行きたくない
国境はまだある
彼が歌わなくなってから
何十年も
経ったっていうのに
でもな
旅人は帰る
サミシイ、も廃れた
街に一人
分かり切った
今を歌いに
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ガガガガガガガ
殴るのを躊躇い
撫でるのも躊躇い
ガガガガガガガ
舐めるのを躊躇い
嬲嫐るのも躊躇い
ガガガガガガガ
クソをしてオナる茶飯事
スッキリしない日常
生まれてくるのが嫌だから
誰かしゃぶってくれないかでも一切
俺には触れるな
万年樹木に宿る精霊が
○○○○○○○と
提唱したなら
流石の君も
カン違いだったと
土下座するのか
ありがたき幸せだと
御辞儀するのか
かの有名な
白眼のサミシガリヤも
科学で解けない
カタチをした虫も
時には
思いがけずに
誰かを愛す
大丈夫
触れられても怖くない
ガガガガガガガ
躊躇わない人を愛せたら
ニーチョの遺言より抜粋
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だったら
僕も神と名乗り
お前の言う白を
黒に変えてやる
黒いコーヒーカップに
真っ白なコーヒーを注ぐ
飲み干した後に
狭くて窮屈な
部屋の片隅で
お気に入りの詩を読む
白い夜が明け
真っ黒い朝が来るまで
大嫌いなアイツは
自分が神だと言い張る
四百万の人間が反論し
四百万の人間が崇拝する
だったら
僕も神と名乗り
お前の言う白を
黒に変えてやる
流れてくる言葉が
僕を気持ち良くさせる
八百万の人間が
何を言っても
届かない場所で
ひたすら詩を読む
唯一無二の僕が
孤立していても
惹かれる場所で
ひたすら詩を
真っ白な夜空に
黒い月が浮かぶ
あの辺りを
よく見てみろよ
目には視えないが
観えはしないか
境界線を模す
無数の灰色が
曖昧から学ばずに
白黒つけられはしない
書き間違えた言葉の主は
神では無く
僕は僕として
名乗らなければ
ハッキリせずに
終わってしまう
八百万の神の顔など
画面を超越えて
表現れるものか
アイツならどうだろう
でも僕の先には
僕や君しか映らない
それはそれで
向こう側からは
黒や白にしか
映らないのか
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心のドアを叩くのに
いくらの言葉が必要か
アナタの心一つあれば良い
色々あったんだ
では片付かない程に
色々あったんだ
一人にして欲しい夜
誰かに頼りたい夜
どうにかしたくて
どうにかなりそうで
どうにもならないのに
どうにかしたくて
アイツを無視しても
君は無視出来ない
なんて虫が良すぎる
コンコンコン
コンコンコン
静かに尋ねる夜は
僕の心が求めている日
ドアの開いた夜は
君の心も求めている日
重なり合う日は踊ろうか
楽しく陽気に踊ろうよ
そんな夜があってもいい
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憧れていた
ガンマンになりたくて
買ってもらった
銀玉鉄砲
今の僕の手には無く
慣れに
負けたくないから
常に皆が求めるものをと
時代を意識して
いままでの僕を
斬り落とし
新鮮な血を零す
真っ新な紙の上に
いつしか
繰り返す行為にも慣れ
余裕も猶予も失くし
青ざめる顔
斬新な赤を欲し
震える手が
鈍く光る
強迫を握り締め
もっと深く
更に深くと
自分を斬り刻む
取り囲む現実が
二重にも三重にも見え
膝をついて
そのまま
染み込まない赤に沈み
自ら吹き出した
血溜まりに溺れ
朦朧とする意識の中で
思い出したのは
あの頃の夢
何故
こんな結末を招いた
弱虫だった僕は
その強い正義感で
たった一人
悪党に立ち向かい
町を守る為に戦う
ガンマンに憧れていた
勇気を胸に
思いを弾に込めて
引き金を引き
解き放ったのに
紙に書いた言葉すら
撃ち貫けず
安易な考えは捨てろ
希望じゃ夢は叶わない
銀玉鉄砲を放り投げ
僕は誰の力も借りず
たった一人で
この道を行くと決め
結果
このザマか
己を見下ろし嘆く声
心に悪の巣窟
自身も守れず
赤に抱かれ
銀玉鉄砲で
撃ち殺されたのは
僕だ
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真夜中に裸で歌う
君を見て
感じるものは
人それぞれ違う
僕は
思い出したんだ
そういえば
君が好きだと
様々なパズルの
一片一片が
四方八方に
雑ざって散らばってて
今の気持ちで
無造作に選び
組み合わせた
出来上がって
見返すと
やっぱ変
心搏数が異常だし
腕が三本もある
鋭いツノが生えてて
鬼みたい
でも
白い羽が生えてて
天使みたい
これじゃ化け物だ
継ぎ接ぎだらけの
フランケン
一心不乱に造り直す
没頭しているうちに
此処は何処だ
みたいな
君のように僕も
己を
剥き出しにしたものの
不安と
恥ずかしさで
いっぱいになって
自分から
抜け出して逃げた
不意に
聞き覚えのある声
振り返ると
真夜中に裸で歌う
君だった
この白い羽で
君を包みたいけれど
ツノが刺さって
君を傷つけてしまうかも
胸のドキドキが
思考を飛ばす
勢いに任せて
三本の腕で
僕は君を抱き締めた
崩れ落ちる体
自業自得だ
君はまだ歌ってる
一層
声を強めて
忘れているのか
出来損ないの僕の事
ふと我に帰る
思い出した
そういえば
君は僕を知らない
名もなき風に吹かれて
またもや
僕は逃げ出した