詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
チッチッチッチッチッチッ
チッチッチッチッチッ
チッチッチッチッ
チッ
ドカンかプスンか
それよりも
気になるスリルは
俺を見る君
少し離れた場所から
嫌な顔して
俺を見る君
そっち側に立つのが
怖いのさ
だから睨む
そうだな
よくある手拍子を手前に
町中をフラリ
ぶらりと歩き
ナイフでも
隠してみよう
お決まりだろ
やれることなら
片っ端から
やってみる
生きるのを
許される限り
薔薇を描いて
十字架を添えて
女神を寝かせる
そんなビジュアルに
喰らい尽くされ
気付けば田舎道に
ぽつんと
遠くの境目を見ている
薄汚れた服を着て
パイプでプカリ
煙を吐いて
しょうもない
実にもならぬ話に
花を咲かせて
笑う相手を
隣に置いて
それから先は
ご自由に
どうとでもなるし
面白くなくても
別にいいし
横になって
自分の時間を
味気なく過ごす
スリルから
かけ離れた部屋で
泣きもせず
笑いもせず
あくびと共に
存在する実感て
どうよ
夢を見る真実
夢のない現実
お金も愛も
使い方次第で
紙切れにも
神に感謝さえも出来る
だから何
ジジイが二人
居ればいい
あとは適当に
配役を決めてさ
背景や終わりの続きは
思い込みで
ごゆっくりどうぞ
渋いお茶を
眺めるような感覚で
ゆったりと
ガタガタガタガタ
ゆっくりと
運んでくれる
そんなんで
よろしくベイベ
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言葉を知らずに
詩は描けるのか
免疫力ゼロの
境地に立って
思えるものはあるのか
使えるようになって
分からなくなったモノ
どうすればいい
もっと巧くなるには
どうすればいい
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月が輝いて
綺麗なのは
僕が
居るからじゃ
無かったのか
夜になると
君が
照らしてくれるから
てっきり
そうだとばかり
変な風に
考えてしまってた
ドラマチックな奇跡
どんでん返しは
まだかと
平凡に生きる
お馬鹿が一匹
素晴らしいじゃないか
そう思える
ハッピーな終わりを
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薬の話に飽きた頃
本気で僕が
欲しがったのは
真新しい正常な
脳じゃなくて
心地よく
ぐっすり眠れる
ベッドでもなくて
単純に深く
大好きだと言える君で
愛し愛される
その行為さえも
飽きてしまう前に
早く
君を掴まなきゃ
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地下鉄を走る
満員電車が
光の速さに
到達する前に
消えてしまったように
日々
蓄積してゆく
人々の記憶も
クリック一つで
無かった事にされる
時代だから
詩人が殺された
無造作に広がる
土の無い
大地の上で
詩人が殺された
犯人は誰だ
一体
何が目的だ
分からない
でもそんな事より
コイツは本当に
詩人だったのか
分からない
詩を書いていたんだと
だが
本当に詩だったのか
さっき読んでみたが
俺には
よく分からなかった
俺は詩人じゃないし
詩が何か
分かっていないから
どう思うよ
そこのお前さんよ
詩人だったら
答えてくれよ
殺されたんだ
詩人が殺されたんだ
自称だったが
詩人が一人
殺されたんだ
運が悪かったのか
詩の内容が
悪かったのか
分からないが
詩人が殺されたんだ
詩が死んで
詩人が死人になって
墓もスレも
立てられず
証拠は消えていた
誰が何の為に
殺ったのかも
分からない
確かな事も
確かめられないが
これだけは言える
いつの日か
どこかの大地で
詩人が殺された
詩人が殺されたんだ
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残さなければ
知られずに終わる
言い知れぬ者に
毎夜、囁かれ
躍起になって
朝、起きてから
夜も眠らずに
言の葉を
摘み取り続けた
自分と対話して
反響を待つ時間すら
勿体なくなって
ティッシュを片手に
ひたすら
手を動かした
間抜けな行為だと
自分でも思いながら
それでも止められず
葉が一枚も
残っていないのに
まだ止められなかった
朝も夜も関係なく
言い知れぬ者が
傍らで叫んでいる
拷問だ
殺される
止まらない
もう何も残せないのに
止まらない
助けてくれ
こんなに苦しいなら
死んだ方がマシだ
殺してくれ
いやダメだ
まだダメだ
こんなもんじゃ
残し足りない
もっと
もっと
言の葉を
むしらなきゃ
もっと
もっと
もっと
でも
もう
枯れてし
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五感に囚われ
六感目に操られる
煙のような宇宙人に
否応なく支配される感覚
どんなに物議を醸そうと
所詮
僕等は人形だ
この魂さえも
月の裏では
番号で呼ばれている
四六時中
生や死について
考えないのは
息をしている行為を
忘れるのに似てる
毛の生えた人形なら
仕方のない事
規格外
想定外
予想外は論外
それでも
もしも
空間に
手を入れて
力いっぱい
こじ開けて
異次元を前にして
思考が
ストップしなかったら
あらゆる可能性を
乗り越えて
僕は未知を
創造出来るか
煙は首を
縦にも横にも
振りはしない
ぴたりと
僕に張り憑き
ただ視ているだけで
けさ見た夢は
ことごとく
打ち砕かれた