詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
教科書と知らずに
教科書を破ったら
怪我をしやすい
いままで、に気付けず
これから、を築けず
破壊と再生を
口にする前に
ハイハイを卒業しよう
ハイハイって
分かったフリなら
今以上の発育は望めない
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モノクロの街に
ぽつんと赤が
薄い膜を隔てた先に
咲いていた花
気を取られ
危うく魂を
持っていかれる所だった
捨てられずに
大切にもしなかった
ポケットの中身
何だったか
もう思い出せない
見る気も起きない
目を離せば
消えてしまいそうな
君以外
この心にはもう
映らない
此処に居る事を
望まぬ君は
此処に居たいと
願う僕なのに
目を閉ざした一瞬
次には
ノイズだけしか
跡形も無く
赤は去った
手を掴めずに
振り向かせられずに
心なしか
心が
無い
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×に
どストライク
揺さ振られる
尻尾のサインが
下僕の証
早く
続きを
くれないと
僕は一生
気が触れたまま
薬より苦い
毒より甘い
キかせて下さい
君の
魔性の
歌声を
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曲がらない方向に
歪めたくて
因果を喫み込めず
哭き叫んだ
8の向こう側へ
ぶっ飛ばされて
それでも
消えない炎がある
後ろ指さされても
ナイフで刺されても
十字架に磔にされて
ピストルで撃たれても
僕を突き動かす
此の魂が在る限り
止まらない
突き進む
壁に手を突き
頭をガツリと打衝け
思い切り前に
踏み込んだ
抑えきれない衝動が
僕を突き動かす
理屈も
科学の証明も
真理も道理も
あらぬ方向に
捻じ曲げて
突き進む
大切な人が死んでも
なんて
孤独になって当然だ
君の屍さえも乗り越えて
唯一人
突き進む外は無い
僕を突き動かす
此の魂が在る限り
止まらない
突き進む
突き進む
突き進む
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光の色を知ってるか
と聞かれ
光の音を知ってるか
と聞かれ
分からないと首を振る
僕には
見えないし
聞こえない
説明を受けても
理解らずに
どうにもならずに
拳を強く握るしか
出来なかった
他の誰かになら
いとも簡単に
いや生まれた時から
手にしているものは
どれだけ望んでも
この手では
掴めないものと知り
目の前の扉は
パタリと閉まり
部屋の明かりは
フッ と消えた
望みが途絶え
立っている場所が
闇に包まれ
寒気がして
震えが止まらなくなって
今
初めて気付いた事がある
マンホールのフタ
開いた先
広がる深海
異なる相手からすれば
暗くて中が
よく分からない
ものでしかない
けれども僕には
手に取るように分かる
生まれた時から
手にしていたから
その色も
その音も
僕は知っていたのに
周囲の輝きにばかり
気を取られ
己の拳の中の光
見ようとしなかった
あなたがどうしようと
どうにもならない
力を秘めている
未知分の一の確率で
発症した一個の生命体
他の誰とも違う
光を放っている
僕だけに見える光
僕だけに聞こえる光
真理では計れないもの
僕だけの光を
この手に宿し突き進む
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赤い赤い
真っ赤な赤い人間
すごく赤い
とても赤い
頭も赤い
体も赤い
どこもかしこも
全てが赤い
赤い人間は
血も涙もない人間の
血から生まれた
だから涙を知らない
赤い人間の
赤い血は
冷たくて赤い
死んだような
赤い目をしてる
赤い人間にも
感情はあって
笑ったり
怒ったり
悲しんだりもする
だけど涙が出ない
赤い血しか出ない
赤い人間は
あなたの流したものが
何か知りたくて
そっと手をのばした
赤い人間は
涙と涙に濡れた
人間の温もりを知った
赤い赤い
真っ赤な赤い人間