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高級スプーンの部屋


[22] 終身刑が終わる頃
詩人:高級スプーン [投票][編集]

知らぬ世界を
語っていたんだ
笑っていたんだ

ヒビ割れにも気付かず
壊れるのにも気付かず
語って笑って

崩れて落ちて溶けて流れて
行方知らず知らぬが仏

後戻りも出来ず
終わりが過ぎるのを
待つのみで

風に任せてゆらゆらと
波に任せてゆらゆらと

もう一度
全てを形成し直しても
それはもう別の人

もう二度と戻らない

時間も空間も
ぼくもあなたも

もう元には戻れない

罪と罰の行き先には
自らを持ち込めはしない

名前を付けるのは
誰も知らぬ他の人

始まりが始まる頃には
誰もこの名を知る由もなく

2004/08/21 (Sat)

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