知らぬ世界を
語っていたんだ
笑っていたんだ
ヒビ割れにも気付かず
壊れるのにも気付かず
語って笑って
崩れて落ちて溶けて流れて
行方知らず知らぬが仏
後戻りも出来ず
終わりが過ぎるのを
待つのみで
風に任せてゆらゆらと
波に任せてゆらゆらと
もう一度
全てを形成し直しても
それはもう別の人
もう二度と戻らない
時間も空間も
ぼくもあなたも
もう元には戻れない
罪と罰の行き先には
自らを持ち込めはしない
名前を付けるのは
誰も知らぬ他の人
始まりが始まる頃には
誰もこの名を知る由もなく
2004/08/21 (Sat)