ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーンの部屋 > 突然、歌が明るくなった

高級スプーンの部屋


[273] 突然、歌が明るくなった
詩人:高級スプーン [投票][得票][編集]

ちょっと聞いてよ
そこのアンタ
最近、あの娘が
変わったんだ
いつも一人寂しく
ハナウタ歌う子だった
なのに、
こないだ男と
歩いてたんだ
なんかチャラチャラ
チャラ男だった
ぶっちゃけ彼女にゃ
似合ってないんさ
なのに、
あの娘ったら笑ってた
笑顔のトコなんか
はじめて見た

世の中から
そっぽ向いて
いつもジメジメ
陰気な顔して
真っ暗闇で
息を殺してた
なのにっ

ミテハイケナイモノヲ
ミタヨウナ

寂しくなっちゃった
望みを一つ失って
塞がっていた傷口が
また開いたような
孤独だった、あの娘が
幸せになったって
云うのに
僕は何を考えてんだ
なんでこんなに
気持ちが沈むの
嫌になっちゃう
もう、消えたいよ
あぁあっ

お願いだ
もう一度
あの歌を聞かせてよ
暗くて悲痛で
寂しくて
辛くて苦痛で
救われない
あの歌を聞かせてよ
どうにもならずに
無力を感じてた
空虚を感じてた
冷たくなって
聞くに耐えられなかった
それでも聞いていた
最後まで聞いていた
君は僕の支えだった
君だけが僕の
なのにっ
突然、歌が明るくなった

幸せそうに笑う
君を見ずに
僕は誰に
笑い返せばいいのかな

2005/07/22 (Fri)

前頁] [高級スプーンの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -