ホーム > 詩人の部屋 > 高級スプーンの部屋 > 夢の精

高級スプーンの部屋


[297] 夢の精
詩人:高級スプーン [投票][編集]

夢を見た
とても苦しい
とても苦しい
夢を見た

水色の猫
君の好きな色で
君の好きな動物
頭を撫でて貰いたくて
その足に擦り寄った
すると君は
何かの虫になって
飛んで行き
すぐに見えなくなった
水色の猫は
呆然となって
君の消えた
空を見ていた
真っ白な空を

夢の中でしか
ありえない景色も
上手に操作出来ずに
僕は一人
翻弄されて
楽しみを逃す
君と二人で
あんな事や
こんな事をしたい
夢の中
白い空の下で

真っ黒な荒野
照りつける太陽
水色の猫は
その身を焦がしながら
懸命に走る
君を追い掛けて
ひたすら走った

見つからないまま
目を覚ます
感じた喪失感
最初から何も
手にしていなかったのに
水色でも
猫でもない僕は
君を思い出し
苦しくなる
夢から覚めても

2005/08/28 (Sun)

前頁] [高級スプーンの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -