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高級スプーンの部屋


[359] 映らない神と無数の灰色
詩人:高級スプーン [投票][編集]

だったら
僕も神と名乗り
お前の言う白を
黒に変えてやる

黒いコーヒーカップに
真っ白なコーヒーを注ぐ
飲み干した後に
狭くて窮屈な
部屋の片隅で
お気に入りの詩を読む
白い夜が明け
真っ黒い朝が来るまで

大嫌いなアイツは
自分が神だと言い張る
四百万の人間が反論し
四百万の人間が崇拝する
だったら
僕も神と名乗り
お前の言う白を
黒に変えてやる

流れてくる言葉が
僕を気持ち良くさせる
八百万の人間が
何を言っても
届かない場所で
ひたすら詩を読む
唯一無二の僕が
孤立していても
惹かれる場所で
ひたすら詩を

真っ白な夜空に
黒い月が浮かぶ
あの辺りを
よく見てみろよ
目には視えないが
観えはしないか
境界線を模す
無数の灰色が

曖昧から学ばずに
白黒つけられはしない
書き間違えた言葉の主は
神では無く
僕は僕として
名乗らなければ
ハッキリせずに
終わってしまう

八百万の神の顔など
画面を超越えて
表現れるものか
アイツならどうだろう

でも僕の先には
僕や君しか映らない
それはそれで
向こう側からは
黒や白にしか
映らないのか

2005/10/09 (Sun)

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