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高級スプーンの部屋


[374] しろいかいぶつ
詩人:高級スプーン [投票][編集]

使われすぎて
価値の下がった
僕等が売られている
最新鋭の角を曲がって
二本目の裏道で

触れたくないけど
目につく場所で
汚れた僕等は
拾われた後
リサイクルされ
いつもの所へ

居場所はあるが
自由はないよ
されるがままに
叩かれては
売られていく
目の無い人々に

一度買ったら
何度も足を運ばなきゃ
駆られる要素が
僕等にあるけど
見えない光
求めて来たって
何も見えないよ

自分を見失い
探しているけど
意味も特にない
僕等に価値を持たせて
思いのままに使っても
足元に落ちている
自身を自ら
踏み潰してるだけだよ

そして忘れてしまう
何を探していたかも
疑問ばかり残して
姿を消していく
最後に残るのは
いつも僕等だけ
捨てられたら
なるべく何も
考えないようにして
元の場所に
帰るのを待ってる

僕等の見せる夢に
魅せられて

虜になって
不幸になって
馬鹿になる
自らの欲の引力に
負けて
小さくなって
最後は消える

エサは僕等じゃない
知っていても
止められない脅威
連鎖は続くよ
何処までも

2005/10/30 (Sun)

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