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高級スプーンの部屋


[388] ハムスター
詩人:高級スプーン [投票][編集]

光の中から金塊を
根こそぎ奪って
逃げられた
辺り一面
広がる闇に
闘争をバラ撒くのは誰
暗黒に目が慣れた頃
飛び散る貪欲の
脈絡の無さに
苦しむ事さえ
馬鹿らしくなる

小さな幸せに
気付かない
多くの不幸に
触れようともしない
ゆらゆら揺れる存在の
甘さや弱さから
逃げ出すように
自ら眼を閉じる

罪悪感と
やがて降る罰に
心から怯え
確認の取れない
望みにしがみつく
不安は速度を増し
矛盾が矛盾を呼び
8の字を描く
眠ったままでも
迷わぬように
目が覚めても
出られぬように

光も忘れてしまうのか
争いも願いも
夢も絶望も
表も裏も
解けなくなって
永遠と引き替えに
クルクル輪廻る
8の字を

疑問の湧かない日々から
暗転する内面と
膨張しすぎた
器のズレが
意識の残骸を振り絞り
目蓋を
どうにか抉じ開ける

一筋の闇の先
大切な夢を失って
僕を手に入れたのは誰
光が遮る
奪い返そうと
手を伸ばすが
あまりの熱さに
全身が溶けてしまう
魂も焼けて
爛れた想いは
また宙の底へ

絶えた望みより
与えてくれる
安らぎは無いのか
ハマってしまった
8の字から
未だにアレは
抜け出せない

2005/11/08 (Tue)

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