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高級スプーンの部屋


[453] トライアングル
詩人:高級スプーン [投票][編集]

残された人の
視点で進む物語は
どう転んでも
ハッキリしない

こっそり
悟りを開いてさ
本能を凍らせて
視界をクリアにする
そうして最後は
手続きしなくても
削除され
人生を閉める

だって知らない
白と黒が何色か
それでも僕らは
その中間の
どれかを選んで
勝手に名を付けて
呼ばなければならない
今日は
どれにしよう
意味は
分からないけれど
これが良い
なんとなく決める
拾った物差しで

裏側で下を向けば
ほら
見てごらん
信じられない
理を着ているよ
アレ
恥ずかしくないのかな
君のはどうだい
誇らしげに
着ているけれど

銀色を叩く
体を震わせ
響いてきた音に嘆く
そんな風にして
眠りを放して逃げた
その矢先
過失に撥ねられて
あぁ

長い長い
過ぎると短かった
長い夜にも
次の日の朝や
お昼にもたまに
こう思う
やっぱり何故か
一致しないなって

正三角形は
同じような音がする
誰が叩いても
こうじゃないのか
僕が選んだ色だって
他とは
大差ないハズなのに
自分以外の理を
中々どうして
受け入れられない

残された僕らの
胸の内で響く
色の感触や
音の感覚は
変わらずに今も
響いてくるのに
伝えた瞬間
別のものに
差し替えられたのか
一つにはならないんだ

2005/12/22 (Thu)

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