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高級スプーンの部屋


[506] 空と二人
詩人:高級スプーン [投票][編集]

何日も続く雨
この街には
お似合いの
灰色が深々と覆う

私は特異なんだと
得意気に話す
笑顔の下の両手には
何も握られてはいない

幸せを掴めば
離すまでは
予定していた敗北も
深く刻まれた過去も
全部全部消されて
白紙に戻るから

私は良いの
不幸なままで好いの
晴れない心に
光は要らないの
空っぽじゃなきゃ
受け容れた後すぐに
吐き出せないからね

曇り空の意味を
彼女は知らないと
笑う僕の
両手にも何もない

何日も続く雨
この二人に
お似合いの
灰色が深々と覆う

暗雲垂れ籠める
蚊帳の外には
今日も青が
広がっているのに

2006/02/01 (Wed)

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