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高級スプーンの部屋


[536] キめてから飲まないと決め
詩人:高級スプーン [投票][編集]

始めから
選択の余地が無ければ
仮定の話もしなかった

アレヲコウシテイレバ
コレハアアナッタノニ

あらゆる場面から
身を引いた
カメラに映らないように
距離を取った
後になって
編集した映像を
明るいところで
少し離れた場所から
観ていたら
ふと

考えもしなかった
考えても仕方なかった
幸せな結末や
努力する過去
夢への実績
人を愛する気持ちが
どんなものか
考えることもなかったのに
観ていたら
ふと
考えてしまった

生まれ変わっても
もう一度
自分として
同じように
人生を歩みたい
そう思える人生を
望んでばかりの人生を

送って
送って
巻き戻して
リピードして
後悔したり
懺悔したり
あの場面で
泣いていたのは
後から観ていた
自分だったと
観ていたら
ふと
気付いてしまった

カットしていただけだ
自分を
あらゆる場面から
後から
あらゆる場面で
自分を
上手い具合に登場させて
美味しい思いをしたくて

頭にあった出来事を
本当にあった出来事に
実はそうだったって事に

出来ないと
観ていたから
ふと
気付いてしまった
観ていたら
ふと
考えてしまった
今この瞬間の僕には

今この瞬間の僕が
必要とするイマを
現在になってから
求めたって
どうにもならなくて

手に入らないなら
最初から要らないと
更に
考えてはいけないことを
考えなかったし
考えなかったら良かったと
更に
考えて
観なければ良かったと
それならもっと前に
停止ボタンを
押せば良かったと
観ていたら
ふと

停止ボタンを押せるのは
出来た映像を
観ていたら
ふと
考えていた
今この瞬間の僕だけだと
気付いた

あの場面の僕が
ふと
気付いても
考えたとしても
観ていないから
押せないから
観ていてももう
やり直せないから
やり直せないならと
観ていたら
ふと

2006/02/19 (Sun)

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