詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
眠ガス吐いて眠らせる
何か苦しんでる彼女を
それから僕は本を取る
訳もなくページを捲る
小さな羊が一匹
めぇめぇと
低い声で唄を歌う
ひっそりと呻く唄
眠れよ眠れ
犬小屋なんかで捕まえて
全く無意味な子守唄
涙目で真っすぐに
見つめてくるから
逃げられない
童顔な彼女は
小悪魔からは程遠く
只の小柄な人間です
子供のような大人です
無邪気な笑顔を
くしゃくしゃにして
放り投げては凹んでる
沢山悲しんだ後すぐ眠る
悩みを忘れているのかな
寝顔はとても可愛くて
眠りの森の扉を叩く
姫か魔女か王子か白馬か
見知らぬ誰かに出会う為
今日も眠れない人々が集う
エレクトリカルマジカル
睡眠薬より効果的
媚薬よりも蠱惑的
安らぎ催す吐息は何処に
賑わう眠らずの森
太陽がじわじわと昇る
この部屋を充たす前に
切れる眠ガス
妙に冴えた頭を横にして
そっとベッドに沈む
隣で寝息を立ててる
君をよそに
深く深く沈む
小さな羊が一匹
めぇめぇと
森の中で泣いている
迷子の迷子の小羊よ
眠れよ眠れ
いま安らいでも平気なの
全く無意味な子守唄
眠ガス吐いて眠らせて
何か苦しんでる僕らを
それから君は何をする
訳もなく人生を送る