詩人:高級スプーン | [投票][編集] |
水色の砂に
飲み込まれ
部屋の内側が
姿を消した頃
水色の砂に
飲み込まれ
部屋の内側で
姿を消せない僕
窒息寸前
醜く暴れようとして
一つも動けなかった
そして
今に至る
消化はされない
何であれ
部屋を出るまで
姿は残る
ドアを開けたら
どこまではばたく
一家揃って砂まみれ
軽薄な意識だな
水色の砂の中で
そんな事を考えた
携帯電話みたいに
使っただけ減るのなら
僕はどこで自分を
消費していたんだろう
だって今まさに
消えようとしている
この瞬間は幻か
心はやはり
ここになく
緩やかに心臓が動くのみ
水色の砂
水色の砂
僕の頭から流れだした
水色の砂
水色の砂
部屋の中を埋め尽くした
水色の砂
水色の砂
部屋の外は静かな夜です
水色の砂
水色の砂
ちっぽけな
僕の頭じゃ収まりきらず
けれども
部屋の外には出ない
ちっぽけな
僕の世界は
広がり薄まり
味のしない
虚ろな無意識
水色の砂が
僕の心か
何を今更
意識は途絶え
水色の砂が
消えた部屋
彼一人だけ残される