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高級スプーンの部屋


[622] ヒグラシ
詩人:高級スプーン [投票][編集]

スーツのまま寝転がり
フローリングの床の溝
長く伸びた爪を挿し
蓄まった埃を掻き出した

準備だけを繰り返す
時間は迫る
其処まで来ている
置かれた鞄も白くなる

過ちを一度
人生に一度
犯してしまえば終わりだと
馬鹿を言ったら
叱ってくれるか

弱る意識
少し寒いので
布団か何か掛けてほしい

遁れる術はまだあるか
罠もないのに動かぬ鼠
噛むのは長く伸びた爪
床に転がる埃と共に
日が暮れるのを
待っている

カナカナカナカナ
カナカナカナカナ

2006/10/02 (Mon)

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