スーツのまま寝転がりフローリングの床の溝長く伸びた爪を挿し蓄まった埃を掻き出した準備だけを繰り返す時間は迫る其処まで来ている置かれた鞄も白くなる過ちを一度人生に一度犯してしまえば終わりだと馬鹿を言ったら叱ってくれるか弱る意識少し寒いので布団か何か掛けてほしい遁れる術はまだあるか罠もないのに動かぬ鼠噛むのは長く伸びた爪床に転がる埃と共に日が暮れるのを待っているカナカナカナカナカナカナカナカナ
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