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高級スプーンの部屋


[653] 真逆の詩
詩人:高級スプーン [投票][編集]

どこかに彼の考えと

真逆の答があると云う

己が道をひた走る彼が

理解したのは死の際で


走って 走って

走って 走って

世界中を駆け抜け

巡った

自らが歩む道の正しさを

皆に証明する為に


叫んだ数だけ

人々は賛同し

味方についた

叫んだ数、以上に

人々は反対し

敵となった


どうして俺に

従わない奴がいる?

何一つ

間違ってなどいないのに


彼と違う意見を持つ者は

次々と殺された

彼と同じ意見を持つ者は

さらにその倍、殺された

人の命が奪われる度

彼の行く手は阻まれる


そして暗殺

一瞬のうち

彼の脳裏に

浮かんだものは

一遍の短い詩で


その後の歴史で

語られなかった

真逆の真実が





2007/01/19 (Fri)

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