詩人:高級スプーン | [投票][得票][編集] |
異形奇形の神様の
肉体の一部を
知らずに食べた男女
母親のお腹の中で育つ
胎児がそれを吸い込んだ
その子のヒ孫辺りを
疑似体験したものが
今も感じる苦しみか
まわりくどい割に
本物が薄まっているのが
証拠と言ったら
理解ってくれるか
予告編の方が
面白かった映画を観た後
さっきの続きを
書いている
作品が完成したら
これは良いと思いながら
またその次を考え始める
芽が出たら受粉できるか
ハチを待つ不安で
そわそわ眠れないし
終わりが来るの
とても怖がる癖に
夢を見るといつも
枯れてしまって
そのまま目が覚める
結末の先を知りたいのに
ほっとしている
自分も傍にいて
複雑な無表情を浮かべる
詩になるか
無理だろう最初から
描写する才能と時間に
限界があると
認めろよいい加減に
幼稚園中頃には
あなたのレベルは
この程度なの
笑って先生が
教えてくれたし
それがすごく嫌だったから
思い出したくないだけで
忘れてはいないだろ
表向きは
なんでもないフリをして
己の背丈に合った行動を
心がけて時々バカにされ
それでも笑ってごまかした
情けない思いすら
引き出しの奥にしまい
今日まで普通の顔して
生きてこれたのは
自由帳と大学ノート
それと携帯インターネット
書き続けることで
晒し続けることで
明日も明後日も
十年経っても
生きていられた
そんなもの載せるな
人に見せる為に書くな
もう十分やっただろう
潮時だ
つまらないから
悩むなよ
愛されて愛し方を知っても
愛を愛と感じず
愛を渡せずよく似た
優しさを与える日々で
一緒にどこまで行けるのか
答はもう少し後回し
十数回目の負け犬の逃亡
お前は何も残さず死ぬんだ
もし何か残しても今の所
残したいものもないし
生まれ変わるなら
アバラボネを裏返し
左右対象の目蓋を開き
要らない穴のない耳と
まともな性器でセックス
死体