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高級スプーンの部屋


[676] 卒業できない(起)
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流れてくる歌が
変化を知らせる

開かずのカーテン
2年前のカレンダー
散らかる部屋で
空きを探して点になり

本当は
やりたくないんだ
言いながら
パソコンに向かい
人を探して線になる

今日の僕は
こんな形
いつもと変わらない
パジャマ姿で
キャラを決めて
名前をつけて
グループ見つけて
会話に入る

そこまで
楽しくないのにね
無表情でwww
互いに
糸を張り合って
捕らえ囚われ
イエスな気分
その姿は完全に
無知無能

始めた頃は
過疎地だったのに
人口急増
満員サーバー
問題と悩みとイライラが
実社会より
リアルに浮かぶ

名無しに
荒らされ指摘され
僕の悪口で
満ちる世界
混雑に埋もれ
落ちていく

あの時と同じように
だったら同じように
学校みたいにね
会社みたいにね
ある日突然いなくなれ

IDとパスだけ持って
検索ボタンで
ワープして
似通った昨日今日を
ループする
朝になったら
気が冷める
虚しくなるのは
眠る前

いくら便利になっても
思い通りにならないな
共感を
共有したフリ
共存なんて
やっぱ無理

他の誰かと
同じじゃないよ
違うんだよ
知ってるよ
じゃあ手を止めなよ
止めたら死んじゃう
死ぬかバカ

動かせ時間を
動かせお前を
向かうのは
パソコンじゃない
「自分」だろ

ウルサイナ
思考も止めて
ダブルクリック
まだ見ぬサイトで
居場所探して何になる
誰にもなれない
他にはいない
お前はいつも
此処にしか

ウルサイナ
だって鏡に
映っていない
それでも
ゼロじゃないから
だとか
ウルサイウルサイウルサイ

此処に僕はいないんだ

僕を探して
僕にはなれないと
駄々をこねる
僕が此処にいるだけで

2007/03/15 (Thu)

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