詩人:有香 | [投票][編集] |
『春が来たら
また あの道を歩こうね
二人で見たあの花は
きっと また咲くから…』
差し出した手を包むのは
生温い風
澄んだ空の上を見つめる
あの花は今年も咲いたよ
見える…?
此処は
君と僕が生きた惑星…
見える…?
聞こえる…?
僕一人で生きていくには
寂しすぎるから
今まで君と感じてきた
太陽の光を
雨を
風を
君だと思おう
見える…
聞こえる…
今でも 君を
感じている…
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今まで
私は強い人間だと思って
弱いフリをしていました
ふと気付くと
ホントに弱い自分がいました
ホントの強さを知らないから
ホントの弱さも分かりません
ホントの笑顔を知らないから
ホントの涙も流せません
あの太陽は
こんな私を今日も照らしています
優しいんだか
皮肉なんだか
あなたは私を誉めました
私の何処を見てかは分かりませんが
凍てついた私の心に
あなたが少しでも明かりを見つけられたということなら幸いです
あなたの側でなら
私を見つけられるような気がしてきました
それでも今も
ひとりぼっちより
誰かといることの方が怖いのです
たとえ
あなたにでも
心を開くことは
怖くて仕方がないのです
だけど
私が私に問いかける
「私の心は何を求めているのか。」
心を開いた先に
吹き込む風が何を運んでくるのか…
それは
誰も知らない
それを創り出すのは
たった一人のあなたと
たった一人の私
重い扉を開けてみようか
もし12時までにあなたからの電話があったら…
もし明日雨が降ったら…
もしあの赤い車が左折したら…
もし………
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あなたはよく振り返る
反省はしても
後悔はしないで
あなたが
そうしようと思って
したことなら
胸を張っていてね
今のあなたを認めてあげたら
きっと いつか
あなたが あなたを
誇らしく思える時が来るよ
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教室
五時間目
数学
日差し
眠そうな君
斜め後ろの私
黒板にチョークが当たる音
少しうつむいた君
2:10
あくび
目をつぶった君
風に揺れるカーテン
机に突っ伏した君
こっちに向いた寝顔
愛しさ
2:15
机に突っ伏した私
そっちに向けた顔
チャイムまでの5分
しあわせ
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僕はバカだから
君はずっと
あの日と同じ笑顔で
僕の隣にいると思ってた
僕はバカだから
君と僕は
何か強い糸で結ばれていて
離れることなどないと思ってた
僕はバカだから
君は僕を必要としてくれてると思ってた
僕が君を必要とするのと同じように
僕はバカだから
君がいなくなっても
また帰ってくると思ってた
やっぱり僕が必要だと言ってくれると思ってた
僕はバカだから
気付くのが遅かった
君の姿はもう見えなくて
僕の隣には君しか座れない椅子だけが残ってた
それでも僕はバカだから
ゃっぱり君を待ってしまう
夢の中でしか、もう会うことのない君の笑顔を
望んでしまう
明日になったら
何もなかったように、また隣にいてくれることを
やっぱり僕はバカだから
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今、私達が見上げる
電線に囲まれた空
昔、人々が見上げた
真っ青で限りない空を
懐かしく思うように
いつか、この空を
懐かしく思うのだろうか
澄んだ空気を
懐かしいと感じるように
今の空気をいつか
そう感じるのだろうか
銀色の未来は
今の世界でさえ
懐かしく思えるほど
また汚れてしまうのだろうか
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やっぱり
生きていたいよ
だって
ここには君がいる
どんなに
つらい日が多くても
君が居る場所では
心はあったかくて
居場所がなかった僕に
居場所をくれた
手首を見つめ
右手にナイフを持った時
今までで一番
鼓動を感じた
やっぱり
生きていたいよ
生きるなら君がいる
死ぬなら独りだ