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芥子、の部屋


[14] 現世の試験
詩人:芥子、 [投票][編集]


かなしいのは生きているから
ときめくのも生きているから
深呼吸のあとで空をみた
どうでもよくなってどうでもよくなった

私の心に生きる幻想が
私の体を生かしている
目の前を素通りする群れは
マネキンなんかじゃないから

おなじように血と汗と涙を流す
おなじようにここで月を見る
ここで繰り広げられる
すべてのことに

無駄なものなんて何一つ
ないと信じることができたら
あらゆる困難も逆境も
それもまた愉しめる気がしたよ

今を消費しつづけて
振り返る過去を築いてく
確かなそれぞれの痕跡が
この世界の一部になってゆく

2015/12/03 (Thu)

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