詩人:春ヱ彗星 | [投票][編集] |
昔はこんなところにも
天狗がいたとじじいは言う
じじいは昔は木こりだが
今はベッドに寝たきりだ
天狗はいつも言っていた
人間たちが羨ましい
自分勝手で羨ましい
わしらにゃそうは生きられない
じじいはすぐに否定した
好きなように生きること
それが一番難しい
一番人を苦しめる
天狗に意味は分からない
じじいの努力は空回り
じじいは多くを語れない
そういや見舞いにゃ誰も来ない
今は森も無くなって
天狗もどこかへ消え去った
それでも天狗がいた道は
好きなように荒れていく
マンション建てりゃ人が住む
道路を作りゃ車が通る
世のため人のため変わる道
天狗にゃそうは変われない