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カラクワトの部屋


[34] 選択の理由
詩人:カラクワト [投票][編集]

ある孤島の白浜で
ひとりの老人を見掛けた。

彼は一心に木片を
小刀で削っていた。

死を、刻んでいるんです
尋ねた私にそう答えた
―誰のものか
―何のためか

それならば、
お持ちの品より良く切れる
ナイフを差し上げましょうか
と私が言うと

彼は、要らないと目を伏せた。
何故かという問いに一言

私がそう思ったから

とそっけなく呟いた。

しかし、気が付くと
声の主は少年で
先の老体は何処にも無かった。

―それが孤島の性格だった

2008/03/24 (Mon)

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