詩人:カラクワト | [投票][編集] |
人に己の影を視る
光の影は結べない
言葉の波に切り裂かれ
断片化した僕がいる
則にかどわかされ
神の手は 私の眉目に
(でも、なぜ――)
月は近くに居て 常に遠くを伺い、
大気は 去来する風に呑まれ、
蟻は 冷淡な雨に怯えるのだろうか。
私を引きずるアスファルト
灼熱の煉獄みち
滑稽なあせは頑張って
熱を拭い
かつ
瑞をかきけす
――でも、なぜ
その癈た右手で
貴方は この仔を 撫でるのですか?
草木は 嗤う。
貴方は 笑う。
なぜなら それは
あたりまえの こと
けれど―
(それが イキルことだからです。)
―その目には
引きも切らぬ 涙