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重夏の部屋


[381] <君降る春夜>。
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薄い蒼の闇に咲く淡く白い月
小さく輝きを放つ星の欠片たち


光が闇に消えゆく様を
闇が光に溶けゆく様を
初めて眼にした その春夜


春風が優しく君を撫ぜ
柔らかな色を放ちながら
君は降る


ひと時の切なさが私を包み込み

酔い痴れた 美しきその姿に
酔い痴れた 息を呑み 君の最期に


ギシリと軋むベンチに腰を掛け
見つめた先に浮かび上がるは
霞がかった桜色 つまりは君のこと


”私をわすれないで・・・”と

聞こえた気がした
いや あの時 確かに受け取ったよ

君の声


触れ合う空気が
ひどく甘く薫っていた

ある春の夜の情景






2007/04/26 (Thu)

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