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赤速の部屋  〜 新着順表示 〜


[3] シンナイ
詩人:赤速 [投票][編集]

あの日からずっと
ずっとたたかい続けてる
いみなどない
ぎむなどない
なにもない
だからあきらめもない

ただそこにいたから
それだけがぼくがたたかう理由

くじけない
なげかない
なにもない
だからのぞみもない

ただそこにいるから
それだけがたたかい続ける理由

なにかを考えたら
おわってしまう

ただきみに伝えたい
だけどきみに届かない

みながしっている戦場
ぼくのたたかいを
だれもしらない

2011/03/16 (Wed)

[2] 闇に輝く牙
詩人:赤速 [投票][編集]

夢というのは未来でさ
小さな僕らはあれこれと
どんな未来も約束されて
どれか選ぶなんて思いもせずに
きれいな宝石眺めてた

夢というのは理想でさ
大人の彼らはあれこれと
すべての理想に蓋をして
ひとつも選べず言い訳ばかり
きれな宝石忘れてた

 夢なんかぁじゃ食えねぇと
 定型文に振り逃げ賢者
 三十六計安住okay?
 十人十色のonly one諦めた
 蹂躙と慰労の檻は掃き溜めだ
 日々ひび割れ俺
 砕けたって強引に
 苦だけだってgoing way
 立ったかever?
 叩かれend
 スパムまがいの無限の腐り
 大事な何かを固持することだ
 意地なんかを誇示することだ

 ねぇ
 俺はいったい何やってんの
 宝箱は空っぽなのさ
 バカみたいに空っぽさ
 戦えば戦えど無駄っすか無駄っスカ
 ジェットエンジン火を噴くぜ
 超高性能無敵のマシン
 だけど残念ガス欠でした
 意味ねぇ俺は
 俺はいったい何やってんの

夢というのは無残でさ
愚かな俺らはあれこれと
あらゆる努力は空回り
なにも掴めず立ち尽くし
きれいな宝石諦めた

 ねぇ
 俺はいったい何やってんの

 勝利敗北富貧困
 イッコニッコサンコン
 あほですか俺は
 あほですな
 少し笑えたのでもう寝ます
 おやすみなさいまた明日

夢というのは未来でさ
小さな僕らはあれこれと
どんな未来も約束されて
どれか選ぶなんて思いもせずに
きれいな宝石眺めてた

夢のいうのは未来だよ
大きな僕らもまだまださ
どんな未来も巡り来る
たまに忘れてまた目指す
きれいな宝石きっとある

 おやすみなさいまた明日

2011/02/07 (Mon)

[1] 睡蓮
詩人:赤速 [投票][編集]

鉛筆と小刀とスケッチブックとを持って、
杜の公園を目指します。
絶望に暮れる朝は、背広と制服の流れに逆らい泳ぎます。
僕自身の制服は箪笥の中で眠ってもらいました。
かすかな罪悪感とわずかな開放感を息継ぎするのです。

 意味のない毎日に辟易していた。
 目的もなく通う学校。煩わしい人とのつき合い。
 自由が欲しかった。独りで生きたかった。
 でも、そうなるための努力はしなかった。勇気がなかった。
 それならいっそ、死んでしまおうか。
 辛いことは、もういらない。
 楽しいことも、なくていい。
 なにも考えずに楽になりたい。
 自殺するなら母のように飛んでみようか。
 鳥になれると錯覚し、ベランダから飛び立った母。
 僕の鼓膜に焼きついて消えない、彼女の悲鳴。
 それは墜落の失望? 或いは解放の歓喜?
 地面に叩きつけられるまで刹那、何を考え墜ちたのか。

鉛筆と小刀とスケッチブックとを持って、
杜の公園へと泳ぎつきました。
暖かな陽射しが緑を映し、人々は微笑んで過ごします。
僕と云えば、片隅のベンチで疎外感を感じながら、
美しい光景をがむしゃらにスケッチするのです。

 5Bの鉛筆が僕の心の出力装置だった。
 公園の木々や、行き交う人々を画用紙に描きとめる。
 僕の心を織りまぜながら描いてゆく。
 この時間だけは、僕が僕でいられると信じられた。
 やわらかな芯の鉛筆はすぐに減ってしまう。
 折り畳みの小さなナイフで、それを削り出す。
 なんてことはない作業だが、その日はぼんやりしていた。
 剃刀のような薄い刃が、ザクリと指先に食い込んだ。
 どす黒い血が溢れだす。
 スローモーションで伝い流れる鮮血。
 ぱっくりと割れた傷口がズキンズキンと燃えるよう。
 嗚呼、なんという確かな痛みだろう。
 僕は今、生きている。
 僕の血と僕の命。当たり前の事実に心が揺れた。
 なぜだか分からない。生きていける。そんな気がした。
 傷口を舐めると鉄の味がした。

鉛筆と小刀とスケッチブックとを持って、
杜の公園で溺れていました。
溺れながらも、流れる血の温かを確かに感じました。
遙か上の水面には、まだ戻れませんが、
水の底から見上げると、太陽の光がキラキラと揺らめくのです。

2011/02/06 (Sun)

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