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孤 花の部屋


[137] 心象スケッチ
詩人:孤 花 [投票][編集]

絵となった思い出は

その面影を何とか留めているだけで

映像も

途切れ途切れ


昨日の出来事のように

呼び起こすことなど

出来なくなっていた


子鬼が花を降らした日も


今では半透明の膜に覆われて


かたくなってゆく


私の上に色とりどりの幸福達が

はらはらと舞い降りたあの日

褪せないと思っていた

瞬間

気持ち


ためらわずに

ためらわずに褪せていくのね。



あぁ月の日に君を想い

蒼すぎる哀しい空に馳せました

夢にはしないと叫んでいた

ずっと

ずっと

光が射すまで



あの街に残存感

黄色い声と制服

眩しい白の体操着

若さのスピード

頬をかすめた




チクタク

チクタク



チクタク



チクタク



夕方の暗い部屋に


現実が一杯に広がっていた


軽い疲労感




昼の明るさは嘘のように


子鬼は嘘のように

2009/01/20 (Tue)

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