詩人:Я@κλ | [投票][得票][編集] |
一人で帰る
バスの中
いつもと同じ時間
いつもと同じ道を
通い続けている
夢見る帰り道
上下左右に揺れる
古いバスは
僕にとって心地いい
少しだけ開いてる
窓から聞こえる
風が頬に触れ
伸びた髪の毛を
踊らせる
四角い窓を
見つめると、
あの日の事を
思い出していた。
貴方への想いは
同じ所を巡り
景色が変わる様に
一つ一つの表情が
コマ送りされる
こんなにもまだ
愛しくて
目を閉じると
凄く鮮明に蘇る
隣でイビキをかきながら
寝ている貴方の顔を
微笑みながら
見ていた事も
貴方の瞳から
色のない涙がポタポタと
地に落としながら
ノイズで聞こえなかった
言葉も
風が吹いて
僕一人
残った事も
まだ記憶に焼き付いてる
伝たる涙を
膝の上に逃がして
海に降る
雪のように
刹那に消えて行く
ゆっくりと更ける
2月の夕日は
辺りをボヤけさせる
あの日の記憶も
海に落ちた雪が
円を描き
跡を残して
ゆっくりと
消えて行く様に
想い愛した
日々を
あの日に戻して
紫の
降りますランプに
包まれながら
僕は帰る…
貴方が居ない
これからの帰り道
ただ独り
終バスに身を任せ
揺られ続けながら