詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
君がいればこの寒さを
なんて言う?
君がいたなら
この気持ちをなんて言う?
道端に転がった桑の実でさえ
きっと何かを話しかけてくるんだろ?
服を突き抜けて肌を刺す
そんな風さえクスクスと笑うんだろう?
秋の色はどんな色?
どんな香り?
枯葉がにこりと笑ってたよ
そこにいるのかい?
ひゅるると隠れているのかい?
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
そうだったんだ
赤は燃えているようで暖かいね
誰かが言った。
そうだね暖かいねって
あたしも頷く。
まだ言葉も喋れない赤ん坊が
青を見て赤と教えられれば
その人にとって青は赤になるんだ
そんなのいつか気付くって?
そうかなぁ
あたしが見ている赤が黄色でも
それはあたしにしかわからないんだよきっと
あたしの見ている物や色はあたしにしかわからない
誰かが見ている赤色があたしには黄色に見えていても
誰もその違いには気付かないんだよ
間違ってるんだよ
赤い色を見てみんなで赤ってなづけたのじゃなくて
まず赤色って名前があって
それを赤だって呼ぶだけなんだ
ああ
あたしの夜はもう色に食べられて
眠れない
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
やはり君は妖精だったのか
それとも魔法使いだったのか
今思えば君自身がまるで物語のようで
悪態をつくこの口を笑ってつついてくれたね
胸の中の何かが零れ落ちたよ
触れたいと思った
だけど眺める事に決めたんだ
あまりにも君は透明で
あまりにも君は輝いていて
こっそりと後姿だけを
こっそりと香りを
やはり君は妖精だったのか
それとも魔法使いだったのか
最後に聴いて欲しい
まだ君を必要としている人がいる
あたしもその一人
不思議の國の
不思議な女の子
どうか
どうか
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
手に入れたモノを
アナタは大切に出来ますか?
『欲しくてたまらなかった』
ソレヲアナタハ
大切に出来ていますか?
アタシハ
アナタノモノニハナラナイ
アナタモ
アタシノモノニナラナイデ
息はかかるけれど
キスはしない
体温は感じるけれど
手は触れたりしない
『悪い子だ』ナンテ
言わないでよね
遊びじゃないの
アイシテル
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ワガママで自分勝手
群れる事を嫌って
強くて自由
こんな奴「あたし」
そうしていられるのは
最低限
あたしはあたしに
自信があったから
それを失くしてしまえば
あたしは
カス以下の何者でもない
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
月はただ乾いてて
人々の幻想を写すため
そこに浮かんでいるようだ
空はただそこにあるだけ
繋がりを求めるの時
その時だけにあるんじゃない
絆はただ安っぽく
好きがそれと同じかのように
言葉に拘るのはやはり
あたしが人だからか
それに名前を付けたがる
月はただ乾いてて
クルクルとただ浮かんでる
あたしはただ生きていて
笑って泣いて怒っているだけだ
誰かが名前を付けたがる
誰のためでもない
あたしと謂う物に
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
鏡はいつだって理想のあたしを
あたしはいつだってそれが
嘘
だって知っていて
あたしはあたしを騙す為
いつだって
自分に
誰かに
嘯いた
誰も側に居ない夜は
ふと
本当のあたしに気付いてしまいそうで
彼に電話した
凍えそうな夜空の下で
彼が幻像のあたしを
心配して声を振り絞る
あたしに騙された彼の話に
あたしも騙される
本当のあたしは
彼にとっての嘘
心は満たされてるのに
涙だけは止められなかった
大丈夫まだ嘯ける
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
遠ざかって行くのを
ただ‥見ていた
泣いたって仕方の無い事
知っていたから
遠ざかる貴方は
ぼろぼろと‥ぼろぼろと
あたしの心を
優しく締め上げる
もう
姿が見えなくなると
なぜかな‥
お腹の奥から
声にならない切なさが
吸い込んでも
飲み込んでも
唇から零れ落ちるの
枕に顔を押し当てて
力の限り泣いてみた
固く閉じた筈の目に映るのは
貴方の笑顔と泣き顔なんです
もし‥あの時
あたしが嫌だと泣いていたら
貴方は
まだ此処に
いてくれたのかな
詩人:アい兎たヲ | [投票][編集] |
あれほど忘れてしまいたかった
苦しく切ないあの想い
今はもう
拾い集めては
胸の奥に投げつけるけれど
掠り傷だって出来はしない
強くなったねって人は言うけれど
きっと違う
逃れようの無い切なさ
眠れないほどの苦しみ
それを抱えて泣いていた
あの頃のあたしに
あたしは
もう勝てはしない
そんな気がしてる