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貴方は私に言った。
あの暗い夕暮れの中
悲嘆に暮れている私を前にして。
涙堪えてる事なんて
貴方にはとっくにばれているの。
今までもそうやって
涙隠しきれていたのに。
意地を張って笑って見せる私に、貴方は言う。
御前は独りじゃない
御前は悪くない
御前には俺がついてる
御前は胸張って生きろ
そして
「泣くな」と。
私は独りぼっち
私が全部悪い
私には味方なんていない
私は生きていたくなんかない
初めて、人の前で
私は、泣いた。
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もし、私が鳥だったら
もし、貴方が私だったら
もし、世界が暗闇だったら
もし、空に星が無かったら
もし、明日で世界が終わるとしたら
そんなものは何の意味も持たない
この世界において「もし」なんて通用しない
夢見る者に安息は訪れない
風待ち人の元に風は吹かない
星読みは星の本当の意味を知らない
それでも人は探し求め続けるのか
裏路地に転がっているかもしれない幸運を
自分という全てに賭ける為に。
けれど
もし、それがあり得るなら
それはそもそもあり得ない
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好きなら好きと
嫌いなら嫌いと
そう言ってよ
言葉は伝える為に有るんでしょう
何故嘘ばかりつくの
何のために隠そうとするの
黄色の絨毯さながらに
歩道の端っこに積もったイチョウを
ふかふかと踏みながら
それでも心はごつごつしてた
貴方があんな事を言うから
信じてたのは僕の勝手かもしれないけど
それとも、何
今までのはみんな貴方の芝居だったの?
親友だと思ってたのは僕だけだったの?
黄色い石垣の上に座り込んだ
僕はもう
心のベールの下を察するのに
疲れてしまった
僕は思ったより
貴方のことを知らないのかもしれない。
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「ごめんね」
もう遅い
「ありがとう」
放っといて
「貴方が好き」
私は嫌い
「どうしたの」
うるさい
「笑って」
泣いてやる
「嘘吐かないで」
あんたもな
「頑張れ」
もうこれ以上
「頑張れない。」
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学校から家路につく
重たい希望と
不確かな夢とを
水銀灯の儚い灯りの下で
蹴り飛ばし、蹴り飛ばし。
1日の自分の言動が
ふと脳裏に舞い戻り
嫌な気持ちになる
すると
私の中の「理想の私」が
勝手に
過去の友達と会話を始める
私も考える
明日は、きっとうまくいく
今度こそ、こんな自分とは別れてやる
そして、今日も
学校から家路につく
重たい希望と
不確かな夢とを
水銀灯の消えかかった灯りの下で
蹴り飛ばし、蹴り飛ばし。
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自分に甘えるな
自分の弱さに甘えるな
自分の過去に甘えるな
自分の若さに甘えるな
自分の不幸に甘えるな
自分の可能性に甘えるな
自分の無能に甘えるな
自分の不安に甘えるな
自分の夢に甘えるな
やれば出来る
そう信じて
今まで、生きてきたのだから
これからも、
そう信じて
生きて行かなければならないのだから
自分に甘えるな
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あなたがすき
貴方を見る度に
心臓が変な風に動く
いつからだったかなんて、思い出せない
だって、いつの間にかだったから
気付くと、貴方に視線が行ってる
そして、身悶えてる
友達に「気持ち悪い」と言われる
でも仕方ないよ
貴方がそんな笑い方するから
もし付き合ったら
もし付き合えたなら
傷つけてしまうかも
貴方の事
私には、前科があるから
それでも
あなたがすき、なんです
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「あんた、誰」
振り返ると
そこには
僕が居た
「僕は」
「名前を聞いているんじゃない
 誰か、と聞いている」
僕は黙りこくった
そんな、いきなり言われたって
「知らないよ」
「知らないのに、ここにいるのか
 知らないで、生きてるのか」
「ああ、そうだけど
 あんたには関係ないでしょ」
「いや、関係ある
 ってか俺しか関係無いんだよ」
そう言って、僕に背を向ける
そいつには翼があった
一対の、黒い鳥の翼
僕が一番欲しい物を
そいつは持っていた
「いいな、それ
 僕も欲しいよ、翼」
「欲しいんなら、やるよ
 でも御前にこれをやったら
 俺は自由になれる
 そしてあんた
 死ぬよ
 よく考えるんだな」
黒い翼を広げ
そいつは飛んでいった
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「人を助けてあげられる程
まだあなたはしっかりしてない」
誰かに言われた気がする
あるいは
自分に言い聞かせたやもしれない
腕をめいいっぱい広げても
これっぽっちしか届かない
「たったこれだけでも」と
前向きになれたらいいのに
雲一つない空
窓から眺めると
溶け込みたくなるそれは
見上げると
あまりにも広すぎて…
わたしには、まだ
見えないモノ信じる力
ないんだ