貴方は私に言った。あの暗い夕暮れの中悲嘆に暮れている私を前にして。涙堪えてる事なんて貴方にはとっくにばれているの。今までもそうやって涙隠しきれていたのに。意地を張って笑って見せる私に、貴方は言う。御前は独りじゃない御前は悪くない御前には俺がついてる御前は胸張って生きろそして「泣くな」と。私は独りぼっち私が全部悪い私には味方なんていない私は生きていたくなんかない初めて、人の前で私は、泣いた。
[前頁] [ケイナの部屋] [次頁]