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灰色
雨色
哀しい色
心は沈み
消えない灰色に
溜息ついて
空を見る
灰色
落ち着き
薄明かり
灯のなかで
求め合う
忍び愛
目覚め
蔽い被さる
重くて暗い灰色
去れ
退け
消えろ
そう叫びたくなる。
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心を忘れた人に
街は楽しくて快適というから
住んでみたけど
いまの私には
この街はにあわない
生きるために住んでいるけれど
いつも心は覚めている
塗り固められた道
快適な住まい
快楽から地獄まで揃い
満たされているが
土の温もりも草の匂いも感じられない
街行く人は心の中を通り過ぎ
いつも私だけが
廃墟の中に取り残されて
街をさ迷っている
故郷に温もりが存在すると思わないけれど
癒しの淹れたてコーヒーが飲める
古いカフェの椅子が私の指定席
その古里に椅子がある限り
私は訪れて
椅子に座って
いつものコーヒーを口に含み
時を忘れて
古里を味わいたい。
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待ち合わせ(デート)
たった一週間
会わなかっただけなのに
二度目の待ち合わせ
駅のコンコースにひとり立っている
あなたを見つけた時
あなたが
とても素敵に見えた
思わず駆け寄って
やあ!
元気
思わずそう言ってしまった
待った
遅れてごめん
その一言が言えなくて
濁した一言
私無粋なのかな
待っているあなた
とても素敵
どうして素直に
そう言えないのだろう
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泡雪
誰も歩かない
時間と灯りが止まった深夜
星のない空から
白い一片の塊が
手のひらから
こぼれるように
落ちて
降ってくる
二人の頬にふれると
冷め切らない温もりで
声を上げる間もなく融けてしまう
降り始めの泡雪
哀しい出会い
いつもなら
木枯らしの後に訪れて
初雪が舞うのに
季節遅れの
挨拶なのか
積もることなく融けてしまう
泡雪の一片。
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涙
人を襲う
深い哀しみ
一粒の涙
叫び
怒り
悔しさ
悲劇
挫折
別れ
人があじ遭う
言い表せない嘆き
一粒の涙
流れる
涙
生きている
私の前から崩れていくひとつの形
崩壊
消滅
声となり
怒りとなり
涙がこぼれる
何も
この涙
人だけのものではない
話せない
表現出来ない
そのひと達の涙こそ
一番哀しい
涙である事を
人は知るべきだ。
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別離
愛し合い
共に楽しい時を過ごした人とは違う
もうひとつの別れ
心が痛み
涙が止まらない
悲しい別れ
生きている限り
時の彼方から
いずれ
誰にも訪れる
独りでの旅たち
分かっていても
心で理解していても
突然
愛する人が忽然と消えると戸惑う
残る面影
残像
もう
話せない苛立ち
後悔の念
あなたが去って分かる
悲しい現実
存在感の重み
大切さ
このときあじあう
己の愚かさ
いま
あなたの前で
独り
泣きじゃくる。
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冬
遅い夜明け
光が靄から
解放されて明るくなる
窓が
トントン
叩かれて
目が覚める
射し込む
明かりに
誘われて外に出る
名残が
ゆれている
悪戯しているのは
冬の風
触る風が
冷たい
寒さが凍みる風だ
思わず
ブルブル
身震いして
寒
そう思う。
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さあ拗ねていないで
あの人を
お祝いしよう
確かに私は信じていないし
あの人の誕生日なんて関係ないしね
でも
この日くらい
素直になって
大切な人に
おめでとう言って
心贈ろう
忘れていたこと素直に詫びて
今日は言葉話そう
いつもは言えない分
大きな声で
ごめん
今まで愛してくれてありがとう
でもやはり
あなたが好きです
叫ぼう
贈ろう
素直になって。
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生きている
嬉しいとても嬉しい
友人がいて
家族がいて
愛する人がいる
いつも回りの人に支えられ
いつも
元気を貰っている
哀しい
悔しい
この感情と想いを
いつも受け止めて
優しく包んでくれる人がいる
私・・・
生きている
生かされている
嬉しい
今日は
支えてくれた人達と自然に
ありがとう言える
素直な
自分でありたい。
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南天
冬の街で
南天の赤い実が
旬の一粒を
一枝に実らせている
それは
綺麗な一粒のベリー
美味しそう
思わず
手に捕って
口に含むと
固くて苦い味がして
不味い
思わず吐いてしまう
見た目は美味しそうなのに
意外と不味い味に
驚かされる
旬の一品。