泡雪誰も歩かない時間と灯りが止まった深夜星のない空から白い一片の塊が手のひらからこぼれるように落ちて降ってくる二人の頬にふれると冷め切らない温もりで声を上げる間もなく融けてしまう降り始めの泡雪哀しい出会いいつもなら木枯らしの後に訪れて初雪が舞うのに季節遅れの挨拶なのか積もることなく融けてしまう泡雪の一片。
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