ホーム > 詩人の部屋 > OBOの部屋 > 陽と陰と夏の虫

OBOの部屋


[44] 陽と陰と夏の虫
詩人:OBO [投票][編集]





僕はあなたの陰だった






太陽みたいなあなたの
唯一陰った場所
僕はそこにしか居場所を見いだせないんだ


夏の虫みたいに
光に魅せられて飛んできたのに


僕の存在は今のあなたの輝きを曇らす

本当はあなたの光に触れたかった



あなたの事が好きだった



その陰を取り込んで
僕はどっかに飛んでくよ

だからあなたはその太陽のような光をどうか絶やさないで

その光がないと生きられない人がいる


僕は平気

あなたの光が無くても
生き延びてみせるよ


宇宙は広いんだ
太陽みたいな光も
きっとまだどっかにある


僕は光の中で生きたい


だから


だからさよなら
僕のあこがれた太陽よ


救いはなかった
それでも愛した陰よ








2010/12/04 (Sat)

前頁] [OBOの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -