落ちかけた日にまぎれ
まだ鳴きやまぬ蝉の声と
顔もしかむようなある夏の夜に
「ただ君に逢いたい」と
一つ、詩(うた)を綴りました
二ヵ月(ふたつき)が経ち
だんだんと薄れゆくヒカリ
だんだんと冷たくなる風
天高いある秋の夜に
届いたのは美しい便りと
一枚の写真
夢追う君の笑顔とともに
わたしに幸せを、一つ
さらにヒカリは薄れ
暗闇が襲い始め
ついに君を待てなくなった
それでも一目逢いたくて
本当の君に触れたくて
「ただ君の手が心残りです」と
最期の詩(うた)を綴ります
季節のない、白い部屋の中で。
2008/10/28 (Tue)