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里雨夜の部屋  〜 投稿順表示 〜


[422] 淡いオレンジ
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少し冷えた風が運んでくる

この甘い花の香りを

君は憶えていてくれるだろうか


秋の訪れを告げる

この甘い花の香りを

君は忘れてしまうだろうか


でも大丈夫

これから幾度も花は香り

これから幾度も秋は訪れるのだから



少しずつ憶えていこう

小さな手で触れた世界の片鱗に

確かな思い出を刻んでいけるように

2019/10/27 (Sun)

[423] 三十路
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子供の頃のイメージは

人生の曲がり角

母と見ていたドラマの影響だと思う


実際に到達してみたけど

まだまだ曲がり角は先に思える


人生100年の現代

今の60代は若いように

私達も若いということだろうか

2020/05/05 (Tue)

[424] きっと五月病か梅雨のせい
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同居家族が多くて仲良くさせてもらっているのは
恵まれていること

だけど
言えない本音は多くて

最近は
胸で喉元で抑えられていた言葉を
うまく飲み込めない


大変だけどかわいい子供たち
愛しいのは本当 でも 苛立つのも本当

大人に振り回されている子供たちは
癇癪を起こしても
笑顔で抱きついてきてくれる

自分は正しいのだろうか
子供たちは幸せなのだろうか
渦巻く疑問に答えが出るのは数十年後


凄惨なニュース
こんなかわいいのにと嘆く義母の横で
母親の気持ちに共感してしまう自分が恐ろしい

テレビ画面に写る容疑者は数年後の自分?



後悔や苛立ち
恐怖や虚無感
退いては寄せる波を大きく感じるのは

きっと五月病か梅雨のせい

2021/06/18 (Fri)

[425] 3月15日
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オギャーと生まれてくれた君

頑張ったね

お兄ちゃんに合わせて
なかなかゆったりしてあげられなかったけど
問題なく生まれてきてくれた

コロナ渦で
入院中はママしかいないけど
パパもじいじもばあばも
きっとお兄ちゃんも
会えるのを楽しみに待ってるよ

幸せになるために
一緒に大きくなろうね

2021/06/18 (Fri)

[426] セメント
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30を超えた今でも父の怒鳴り声が恐い

自分以外に向けられたものだとしても恐い



だから
いやいや期真っ只中の息子にヒヤヒヤする


私が間違いを隠しがちなのは
怒られたくないという恐怖からだと思う


息子や娘には私みたいにはなってほしくない

そう思っても
私も完璧ではないし人間だから
いら立ってしまうことも舌打ちしてしまうこともある

セメントが固まってしまえば穴は塞がらない

固まりきる前に少しは修復できるだろうか

2021/12/15 (Wed)

[427] 冬から春へ
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3月に入るといつも心細くなる


雪解け
田畑の土の臭い
日射しは暖かいのに
追い越していく風は身に凍みる

さよならと初めましての狭間の季節

青春時代(かこ)に馳せているのか
復職(みらい)を思っているのか

自分でも定かではない

子供(げんじつ)を抱き寄せても
なんだか不安で足が地につかない


腹を括るしかない


新しい季節はすぐそこだ

2022/03/08 (Tue)

[428] 8月28日
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誰よりも大きく生まれた君は
とってものんびり屋さんで
誰よりもお腹の中にいたね

初めての経験もいっぱいした


元気いっぱい泣いて
元気いっぱいミルク飲んで
愛しい気持ちをいっぱいありがとう



幸せいっぱい
一緒に大きくなろうね



2023/09/17 (Sun)

[429] 雨後の筍
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ようやく一息つく


爆速でハイハイの音がする

眼鏡を取ろうと体を伸ばす

あごに頭が触れる


駆け寄る足音がきこえる

背を向けて座り体を預けてくる

あごに頭が当たる


腰を伸ばし立ち上がる

おずおず上目遣いで近づいてくる

抱き上げるとおでことおでこがこんにちは

2024/07/23 (Tue)
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