詩人:空渡 | [投票][編集] |
この世は一つの輪
一本の線ではない
どんなに堕ちようとも
終わりにはならない
嘲笑われても
虐げられても
自ら心を砕かないかぎり
終わりなど無い
この世は一つの輪
始まりを終わりと
思い込んでいるだけ
一本の線ではない
終焉と
目線を交わしたのなら
再び立て
そこは始まりの場所
詩人:空渡 | [投票][編集] |
空はさらって行く
晴れたる日には喜びを
雨降る日には苦しみを
雷鳴渦巻く日には懺悔を
忘れてしまう
忘れてしまえば
無くしてしまう
無かったことにはならない無くしてしまいたくはない空に請うが返事はない
だから僕は空に刻む
喜びを
悲しみを
懺悔を
忘れ去ったとしても
空には刻まれるはず
膨大で複雑で滑稽な
記憶の跡が
記憶が霞み掛かっていく
この瞬間も僕は
そう信じている
詩人:空渡 | [投票][編集] |
幸せになれる事だけを
すればいいと思うよ
君は賢いから
幸せに必要なものを
知っているはずだから
幸せになってよ
君にとっての 君自身の
悲劇に終幕を降ろし
狂気を枷で縛り
停まった環を回し
夜に光を灯す
幸せに必要なことは
楽しくなくて
痛くて苦しいだろうけど
誰もの世界はそうして
循環する
引き裂かないでよ
君の環も今一度循環を
幸せに必要なことは
君は既に知ってる
詩人:空渡 | [投票][編集] |
楽園なんて本当はないんだ
でも教えて、嘘でいい
偽りの楽園のある場所を
嘘が重なる陸の果てに
揺らめく蜃気楼の楽園
その場所を私に教えて
そうすれば私はまだ歩ける
膝の骨が突き立ち
この目から光消える前に
その場所を教えて
嘘でもかまわない
この腐れた世界に
私の世界に虚ろなる光を
楽園よ、偽りの楽園よ
私が君を目にした瞬間
また私の前で崩れ去るんだろうね
辿り着けば
全て終わってしまうから
でも私は君に向かうことを止めれはしないよ
教えて楽園の場所を
嘘でいい
辿り着けなくても
その楽園を掴むため
私は歩けるんだ
詩人:空渡 | [投票][編集] |
哀しいかな…
この世は醜く残酷で
醜悪な笑みの残像を残して回っているのだろう
狂気と悪意は
リズミカルなダンスを
夜と朝の間に踊る
されど時折美しい
まるで
虫を捕らえる花の如く
この世は時折美しい
虫を寄せる光の如く
我らはそれで未だ
舞台から降りれぬのだろう光や花は
舞台に我らを縛る
命消えるその時まで
詩人:空渡 | [投票][編集] |
狂気が見え隠れする
夜と朝の間
彼女は人の狂気に飛び回る
人の狂気を
切り取り削ぎ落とし
別の誰かに張りつける
誰かは狂い
誰かは正常化する
でも、彼女は言った
確かに聞いた
すべては心の在り方
私はただ飛んだだけ
たったそれだけで彼らは
殺しあったり
愛しあったりできるのだと
詩人:空渡 | [投票][編集] |
失敗してしまった?
そんなもの
塗り潰してしまいな
ずっと塗り重ねていくとねあとからあとから
だんだん形になってくから心配することはない
ゆっくりいきなぁ
先は長い
今、君の筆は正確なことが大事なんじゃない
止まらないことが
大事なんだと思うよ
さぁ…
焦らず止まらずゆっくりと
描いてみてくれ
詩人:空渡 | [投票][編集] |
煙草の煙のように
香の香りのように
僕の思考は
吹き出しては上がり
散っていった
フィルターの
かかったような視界の中
灰色の世界の中
ただ漂う思考
この灰色の世界に少しでも朱が挿せばどんなに
世界がおもしろくできるか僕には想像もつかない
僕の思考は
また煙となって上がる
僕は未だ朱を挿してくれる存在を望んで止まない
わかっている
望むだけじゃいけない…
わかっているさ
詩人:空渡 | [投票][編集] |
星の光が届かない
漆黒の空
浮かぶ銀月に照らされて
黒い空の下に君を見たんだ
とても綺麗な笑みだった
もし聞こえてるなら
どうか答えてくれないか
この漆黒にも似た空の下で君にも私が見えたのか?
聞いたのは
銀に輝く月の方で
月は微笑みを一匙添えて
「さぁね」とだけ言った
詩人:空渡 | [投票][編集] |
何にだって
結末があり終焉がある
祝福の歌や愛宿る歌にも
嘆きの叫びにだってある
開幕した劇場には必ず…
終幕がある
でも、君の終幕はまだ先
…もしかしたらさ
クライマックスだって来てないかもしれないよ?
だからさぁ
そんなに落ち込んで泣かないの
劇を中断するには早すぎる
そのつらさは長い劇のほんの一幕なの
全てに終焉があるように君のつらさだって
永遠じゃない
そこは君の為の舞台
どうか…
君しか踊れない物語を
さぁ…踊って
そのつらい一幕を越えて
君自身を演じきってみて
その結末を…幸福なる
終幕を見せてくれ