詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
もしも
ビルから飛び降りる前に
君と出会えていたならば
何かが変わっていただろうか
学校でいじめに遭っていたなら
そこから逃がすことはできたか
もしも
電車に轢かれる前に
君と出会えていたならば
何かを変えられただろうか
会社でいじめに遭っていたなら
そこから逃げ出すことはできたか
目の前にいる人も
地球の裏側にいる人も
自分だって救えやしない
生まれてからこれまでの間に
何か一つでも
変えられたって言えるのか
これがわたしの人生だ
恥の多い半生だって
どれだけ加筆修正しようと
純文学にもなりゃしない
ビルから飛び降りた君も
電車に轢かれた君も
君を殺したアイツらすら殺せないで
今日をのうのうと生きている
でもここで君の後を追って
命を断つのはたぶん違うよな
本当はね
話を聞くくらいならできるから
その前に
自分をどうにかしないとな
目の前にいる君にも
地球の裏側の君にも
合わせる顔がまだないが
たったひとつからでも変えていこう
逃げてもいい
前を向こう
この命を使い果たすまでは
君に合わせる顔がないから
行こう
ごめんなさい
君と出会うのはもう少し先になりそうだ
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高度に発達した文明が
あくる日
突然すべて崩壊する
僕も君も家族も人類も何もかも
全部全部
絶滅してしまっても
宇宙にとってお粗末な顛末は
お世辞も言えない些末な些事だ
熱々のスープに浮かぶ
羽虫をひと匙
スプーンで掬ってポイ
救われなかったぼくらは
アカシックレコードに刻まれる
一行に満たない程度の歴史として
次はもっと上手くいくかなあ
それは人類の遺したタネか
新たな神のイタズラか
人類が絶滅してはや幾億年
新たな生命の息吹 それは
人に似て人に非なる
類人猿の新人類
歩む未来は滅びた種の猿真似か
今度こそ世界の果てを拝めるか
もしものもしも
どんな名医も手に負えない
空想・妄想・暴走の果ての果て
絶滅する前の
人類のひとりは夢を見て
想いを馳せる
僕らは宇宙の始まり
シン世界史の
1ページ目の文章すら
憶測でしか語れず
巻末には光年よりも程遠い
ページの途中から始まって
願い叶わず道半ばで終わる
そんなのってないだろ?
最後の1ページまで
しっかり熟読した上で
この本を
人生を終えたい
ただそれだけの夢
Is it really that hard?
「easy as pie!!」
それを神の領域だと
ぼくらを遠ざけるなら
あらゆる手を尽くして
戦って勝ち取るしかないな
輪廻する命と世界
横並びのマルチバース
レベリングして見える
新たな次元を超えて
得られるはずの全知全能
この世の果てを教えてくれよ
壮大なスペースオペラ
連続する物語
一冊の本を読み終えたら
視線の先に何が広がっているのか
何も存在しなかったNoneから
生まれたインスピレーション
芽生えたぼくらは
物語を円滑に進める
ただの登場人物で終わるのか
ワンピースが完結する前に
この世界が
絶滅したっていいからさ
代わりでいいから辿り着いてくれ
類人猿の新人類
You're reading until you finish.
Isn't that right?
あくる日の前日譚
ぼくらは転生する
どんな形で
どんな世界に生まれ落ちるだろう
わからないけれど
願わくば
次はもっと
神に愛されるデザインで有りたい
そんな・・・
そんな・・・
優しい白に包まれた病室で
ひとり静かに目覚める前の夢だ
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罪のない人を殺しておきながら
犯行後
しれっとニュース番組の
インタビューを受けている
何食わぬ顔で
「怖いですね」って言う
お前が怖かった
けど
自分が選んだ未来で
自分で自分の首を絞めて
その罪から
免れようとしている今
他人事じゃない
どういう顔をして
きみの質問に答えればいいか
わからずに俯いている
自分が怖い
白々しく
シラを切る
そういうあなたが
わたしは怖いよ
Crime and Promise
どちらが重い?
違えた約束数え切れず
法律では罰せられない
お前の罪を
わたしも裁く手段(すべ)が無いから
Cross my heart and hope to die,
stick a needle in my eye.
あなたが選んだその未来に
わたしはいない
ただそれだけの
deliver a sentence
言葉にするだけ
陳腐なやらかし
犯す前に気付けよバカ
前借りのjunkな幸せに
溺れてゆく様
笑えるを通りこして泣けるな
流すのが勿体なく感じる
涙は初めてだ
小さな間違いが
すれ違いに発展し
やがて大きな波を起こす
butterfly effect
わたしを巻き込むなよバカ
波に呑まれるのは
お前だけで十分
死体も見つからないまま
水底で千年万年悔やめ
改められぬ己の罪を
人生は何度でもやり直せる
病床で
これからあの世に旅立つ人へ
口にする人はいない
もしいたら意味が変わってくる
反省も, 更生も, 調整も, 節制も
その後の人生がある人だけの特権
共に歩むことも
健康な身体と健全な精神と
環境とか運とか
それにも増して
赦してくれる相手の存在があるから
できること
逃げて逃げて逃げて たくさん逃げてきて
詫びて詫びて詫びて たくさん赦されてきて
今回もどうにかなると思ってる
わたしの前に現れて
まるで自分が被害者かのように
頭を垂れて
真実を告白すれば
誠心誠意 謝れば
わたしが赦してくれると思っている・・
死ねよ, わたしの知らない場所で
死ねよ, どこか遠くで
死ねよ, 星の瞬きも届かない超空洞で
死ねよ, 死ねよ, 死ねよ
お前という
ウソみてえなクソ野郎
現実味のない
cosmic horror にゃ
もはや恐怖も抱けないわ