詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
人生のつまらない部分をカットしたら
2時間にも満たない
短編にもなるかどうか怪しいな
助長の蛇足の長回し
飽き飽きだ
死ぬほどつまらないのに
途中でやめないのは
観客じゃないから
転ばない結末のない人生の半ば
10代で死ねば
27歳で死ねば格好もついたか
どうだか
2歳7ヶ月でピークを過ぎたが関の山
売れなくなったロックスターと一緒に歳を取る
使えないワンシーンの連続の果て
「いい人生だった」とFin出来ないが
それでも笑って死にたい
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締めていたのは
首じゃなかった
探していたのは自分じゃなくて
内側から鍵を掛けられて入れない
自分の部屋だよ
だから
行きたくもない旅に出なくちゃ
探しものはこの手の中に
だからいくら探したって
他に何も出て来やしないのに
みんな前を向いて
みんなに倣って前へ
いつまでも続くわけがないと
ガタがくるのをひたすら待って
昨日の失敗を繰り返しては
子どものような嘘を吐いて
怒られる不毛
そりゃあ上司も禿げるわな
諦めていたのは
君じゃなかった
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好きな人の好きなものが
自分も好きである確率を
求めて導き出す頃には
別れを告げられて
好きな人の好きな曲だけが
変わらず部屋に流れている
違う
そうじゃないんだって
雑感
ひどく断定的な
けれど限定しない
パッケージングされた
可愛さを
おもいおもいに引き裂いて
柘榴の断面みたいな集合体
そこまで
見えていなかった
立体的に客観視せず
正面だけを見て
それがあなただと判断してしまっていた
見るからに甘そうだったから
過ぎ去った今も苦い思い出だ
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鼻をかむように
描いた絵でも
彼女の場合は
数億円で落札される
JKが鼻をかんだティッシュでも
出品すれば値段がつくのに
白い背景に何を描き足せば
評価されるんだろう
余計なことは鼻をかんで捨てて
描いてみたけれど
結果は落選
考えても考えなくても同じ
貴女の絵を見て世界中の人間が涙する
いいねを集めて褒め称えられる
何かしらの凄い賞を獲る
鼻をかむ私の姿を絵にしただけで
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毎日考える
それは
きみと生きた日々よりも長く
毎日生き永らえる
それは
きみが生きた時間よりも長く
ひとりで生きることに意味はあるのか
どうせ同じように死ぬのならいっそ
それでも今日を生き延びたのは
怖いから
やりたくもないことを
やりたくないと思いながらも
誰かに褒められるくらいには頑張って
生きているのは怖いから
みんながみんな
嫌ってくれたらいいのにな
何を期待しているのか
なぜ優しい言葉をかけてくれるのか
時に厳しく
叱ってくれるのか
怖いなあ
ひとりで生きるって
すごく怖くて
生きることに逆らえない
それは
それは
気が狂いそうになりながら
怖くて
まともにしか生きられない
ああ恐ろしい
きみがいなくて
ああ恐ろしい
きみがいなくても
毎日考える
それは
きみと生きた日々よりも長く
きみのいない日々が意味もなく
地獄のように続いている
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飽きられる前から
背中を向けられている人の身にもなれよ
他人の気持ちがわからないのは
いま俺を怒っている
お前の方だろう
そんなわけないのに
右向け左
前向きに後退
好きでも続かないのに
やりたくないなら尚のこと
先にそっぽを向いたのはどっちだか
尻尾を振って
お好きなように振舞って
だるまさんが転んだって
うしろを振り返ったって
正面にはだあれもいない
そりゃそうでしょう
もうよしましょう
そうしましょう
で
終わらないから駄目なんだ
好きなのか
飽きているのか
そんな次元じゃ語れないもの
行間だけの空白を見せただけで
夢中になって読み耽る
バカの背中を見るバカを見て
正気に戻っても
正常な動作で生きている
大人たちには追いつけない
あーあー
休みが来なければ
思考は働かなくて
行きたくないとすら思わないのに
俺はただ
エサを前にして
涎を垂らしていたいだけ
光が当たれば
それでも煌めくし
汚れた軌跡が
明るい未来を描かなくても
生きて死ねる
そんなわけ
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ずっと殴られ続けている
一人でいるだけなのにな
孤独は人を強くするんだって
でも
強くなる必要あるのかな
この先も
ひとりでいるだけなのに
ずっと殴られ続けている
倒れても起き上がれなくても
ここで朽ち果てても
腐敗臭が漂ってようやく
気付かれるレベル
弱さを吐き散らかしたって
ああそう
それよりさあ?
って流されていく
川下で拾ってくれる人はいない
立ち上がるのが面倒だから
席が空いても座らないだけ
ずっと殴られ続けている
痛みを感じないわけじゃない
避けられないだけ
下手なんだ
独りでいるだけなのに
暴力を振るわれているような
他には誰もいないのに
好きでひとりでいるだけなのに
生傷が絶えない
なんでだよ
と虚空に振るう手
そこには誰もいないのに
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ぼくらは毎日死んでいる
睡眠イコール自死との仮説
先生の意見が正しいならば
前述のとおり
眠らないのは
明日よりも死を拒んでいるのか
起きたくないのは
どこにも行きたくないんじゃなくて
逝きたくないんじゃないか
だったら先生
あの子だって
必ずしも死にたいというわけじゃないのかも
かもしれない論は
何でも比喩にしちゃう論と同じく
本心を嘘偽りなく
混じり気なく
話しているわけじゃない
のに
そうかもしれないと思わせる技術
流石です先生
眠れないと言っても
眠るんでしょうあなた
でないと死ぬ
翌朝
蘇ると
昨日さっさと
死ななかったことを後悔し
きっと
今もどこかで生きている
先生
先生
永い眠りにつかないで
良い顔しないで
はやく起きてよ
ねえ先生
誰だって
眠りにつくのなら
純度百パーセントで
生きたい人もいない
私もそろそろ
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現実は現実味があり過ぎて
この日々が近い将来
幻に想えるなんて思えない
いつでも隣にいるきみの
隣に長居して
心地いいこの場所で
息苦しさを感じ始めたのは
ここ最近の話じゃないけれど
そう言えば
最近あんまり話をしなくなった
ただ隣にいるだけでいい
そんな話じゃないからな
変わらない日々が無いのは知ってた
でも
変化のない時が別れに繋がるなんて
知りたくなかった
ここまで現実を突きつけられても
まだ夢を見てる
幻になるのは
そう遠くない未来なのに
いまは夢を見る時じゃない時
じゃあどんな時
って訊けたらいいのに
話し掛けるのも出来ないなんて
初々しいとか
そんな話でもなくて
極彩色の夢よりも
モノクロームよりの幻よりも
色鮮やかに隣にいるきみと
この先どうなりたいのか
はっきりと口にするのは
後にも先にも
聞いてくれる人はいないから
いま言え